旧正月(ソルラル)の帰省ラッシュは韓国の風物詩。しかし、今年も鉄道チケットの予約をしておきながら乗車しない「ノーショー」問題が深刻化しました。キャンセル料の引き上げ措置が取られたにもかかわらず、その効果は限定的だったようです。一体何が起きているのでしょうか?本記事では、韓国の旧正月における鉄道チケットのノーショー問題の現状と課題について詳しく解説します。
キャンセル料引き上げもノーショーは減少せず
韓国鉄道公社(KORAIL)とSR社によると、今年の旧正月期間中(1月24日~2月2日)の鉄道チケットのノーショー率は、昨年の秋夕(チュソク)と比較してわずかに減少したものの、依然として高い水準でした。KORAILでは販売されたチケットのうち4.3%、SR社では4.13%がノーショーとなりました。
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両社はノーショー対策として、旧正月期間中のキャンセル料を最大2倍に引き上げる措置を実施しました。具体的には、出発2日前までのキャンセルには最低400ウォンの手数料、出発前日には購入金額の5%、出発当日3時間前までは10%、出発3時間前~出発時刻前までは20%、出発後20分までは30%のキャンセル料が適用されました。
しかし、これらの対策にもかかわらず、ノーショー率は秋夕と比べてわずかに減少した程度でした。KORAILでは0.6%減、SR社では1.68%減にとどまりました。
キャンセル率は改善も根本的な解決には至らず
一方、キャンセル率自体は改善が見られました。KORAILでは発行済みチケットのうちキャンセルされた割合が秋夕の45%から旧正月は37%に減少、SR社では55%から50%に減少しました。これは、キャンセル料の引き上げが一定の効果を発揮したと考えられます。
専門家の見解と今後の対策
京畿大学都市工学科のキム・ジンユ教授は、ノーショー問題の背景には、一部の乗客が複数枚のチケットを予約し、直前にキャンセルする習慣があると指摘しています。キム教授は、予約の制限や常習的なノーショー利用者に対するペナルティ強化などの対策が必要だと提言しています。
ノーショー問題解決に向けた取り組み
ノーショー問題の解決には、キャンセル料の引き上げだけでなく、予約システムの改善や利用者への啓発活動など、多角的なアプローチが必要となるでしょう。鉄道会社だけでなく、利用者一人ひとりが意識を高め、責任ある行動をとることが重要です。
今後の帰省シーズンに向けて、鉄道会社は更なる対策を講じ、利用者もマナーを守ってチケットを利用することが求められます。ノーショー問題の解決は、快適な鉄道利用の実現に不可欠です。