石破首相は9日のNHK番組で、日米間の懸案となっている日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画について、「単なる買収ではない。(日本側が)投資を行い、あくまで米国の会社であり続ける」と述べた。首相は7日のトランプ米大統領との会談で、買収計画の修正案を示してトランプ氏の賛同を得ており、発言はこの修正案について説明したものとみられる。
首相は番組で、「鉄は国家なりという言い方もかつてしたが、世界一の企業だったのが日本に買われるということになると、(米国人の)琴線に触れちゃう」と指摘。「単なる買収ではない」と繰り返し、「米国の企業であり続け、そこで高い品質のものを作るということが、トランプ氏にしてみればすごく大事なことだ」と強調した。
日鉄による投資額の積み増しなど、現行計画の修正内容について問われると、「具体的な数字は、民間の話だから言えない」と述べるにとどめた。
買収計画は、バイデン前大統領が国家安全保障上の懸念を理由に禁止命令を出し、暗礁に乗り上げていたが、7日の日米首脳会談を機に再び前進するか注目されている。トランプ氏は、近く日鉄幹部と面会して協議する考えも示している。