近年の自動車業界は、環境性能が重視される時代。しかし、日本の自動車メーカーは依然として高出力のガソリンエンジン車を販売しています。日産GT-R ニスモ、レクサスIS500、トヨタ スープラなど、魅力的なハイパワーカーが存在感を放っています。これらの車は、環境保護の観点からは疑問視されることもありますが、なぜ生産され続けているのでしょうか?そして、未来のハイパフォーマンスカーはどうなるのでしょうか?
環境規制とハイパワーカーの存続
EUなどで強化されている「企業別平均燃費基準(CAFE)」は、自動車メーカーにとって大きな課題です。CAFE方式とは、販売する全車種の平均燃費に基づいてCO2排出量を規制し、基準を満たさないメーカーに罰金を科す制度です。
日産 GT-R Premium edition T-spec
トヨタや日産のようなメーカーは、プリウスやリーフなどの低燃費車、EVをラインナップに加えることで、高出力ガソリン車の生産を可能にしています。これらの「優等生」が平均燃費を引き上げ、企業全体のCO2排出量を基準値以下に抑えているのです。
しかし、環境規制は年々厳しくなっており、GT-Rのようなハイパワーガソリン車の生産はますます困難になっています。自動車評論家の山田一郎氏は、「現行モデルのGT-Rは2025年で受注終了の可能性が高い」と予測しています。
EV:ハイパフォーマンスと環境性能の両立?
では、ハイパワーカーの未来はどうなるのでしょうか? 答えは、電気自動車(EV)にあるかもしれません。日産が2023年のジャパンモビリティショーで発表したEVスポーツカー「日産ハイパーフォース」は、GT-Rの後継モデルと噂されています。そのデザインは、現行GT-Rを彷彿とさせる円形テールランプなど、多くのファンを魅了しました。
レクサスIS500
ホンダも次期NSXを復活させる計画があるとされ、それがハイパワーEVになる可能性は高いでしょう。EVであれば、600馬力もの高出力と環境性能の両立が可能になります。航続距離や充電時間など、EVにはまだ課題が残されていますが、スポーツカーとの相性は抜群です。
自動車ジャーナリストの佐藤美咲氏は、「次世代EVハイパワーカーは、車好きと環境保護派の両方を満足させる可能性を秘めている」と述べています。EV技術の進化によって、環境性能と高出力を両立させた、まさに夢のハイパフォーマンスカーが誕生する日もそう遠くないかもしれません。