近年、観光客による迷惑行為が問題視されています。映画の聖地巡礼で人気の観光地での死亡事故や、新幹線でのスーツケースの置き方など、様々な事例が報告されています。これらの背景には、文化の違いやマナーに対する意識の差があると考えられます。本記事では、具体的な事例を通して、観光マナーの現状と課題について考察します。
映画の聖地巡礼：観光客と地域住民の共存は可能か？
北海道小樽市は、映画『恋愛中的城市』や『Love Letter』のロケ地として、中国や韓国からの観光客に人気です。しかし、観光客の増加に伴い、交通マナー違反や私有地への立ち入りといった問題も発生しています。
小樽市の風景
2025年1月には、JR朝里駅で線路内に立ち入った中国人観光客が列車と接触し死亡する事故も発生しました。写真撮影のために線路に立ち入ったとみられています。
線路内での事故
小樽市は注意喚起の看板などを設置していますが、効果は限定的のようです。一部の観光客からは、「正しい行き方を示せばいい」「車がゆっくり走ってくれれば大丈夫」といった声も聞かれました。
観光客のマナー違反
弁護士の野村修也氏は、「自治体は外国人観光客を誘致するために努力してきたが、それが仇となっている部分もある」と指摘しています。観光客誘致と地域住民の安全確保の両立が課題となっています。
弁護士・野村修也氏
新幹線でのスーツケース：公共交通機関でのマナー
新幹線内でも、乗降ドア前にスーツケースが積み重ねられている様子がSNSで拡散され、物議を醸しました。投稿者は「マナー以前の問題」と苦言を呈しています。
新幹線内でのスーツケース
JR東海は手荷物のサイズや重量に関するルールを定めていますが、周知徹底が課題となっています。 旅行ジャーナリストの山田花子氏（仮名）は、「大きな荷物は指定席の荷物スペースを利用する、他のお客様の邪魔にならないよう配慮するなど、公共交通機関でのマナーを改めて認識する必要がある」と述べています。
文化の違いを理解し、より良い観光体験を
観光客の増加は地域経済の活性化に貢献する一方、様々な問題も引き起こしています。文化の違いを理解し、互いに尊重し合うことが重要です。観光客は現地のルールやマナーを事前に確認し、地域住民への配慮を心がけるべきです。また、地域側も多言語での情報提供やマナー啓発など、よりきめ細やかな対応が求められます。 誰もが快適に過ごせる観光環境の実現に向けて、共に努力していく必要があるでしょう。
