「築浅の中古マンション」購入で後悔しないために、絶対確認すべきポイントとは?【専門家が解説】


 マンション価格の高騰が続く中、特に都心部では「都心・駅近・大規模・タワー」といった物件がエリアの価格を牽引し、マイホーム購入のハードルは上がる一方となっている。その結果、予算と立地のバランスを重視する購入希望者の間で、「立地の良い」築浅中古マンションの人気が上昇傾向にある。確かに「立地」はマイホーム選びにおいて重要な要素には違いない。だが、立地を最優先にするあまり、他の重要なポイントを見落としてはいないだろうか。

 例えば、快適な住生活を送る上で、そして将来的な資産価値を維持する上でも、「管理費」や「修繕積立金」といったランニングコストも優先すべき要素となる。とりわけ、新築から間もない築浅中古マンションについては、表面化していない将来的な修繕コストを考慮する必要がある。そして、そのコストが顕在化しやすいのが、竣工後「2年目」と「9年目」のタイミングなのだ。

 なぜこのタイミングが重要なのか。それは、新築マンションに適用される「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)と、売り主が独自に設定する「アフターサービス」の期間が大きく関係している。

 しかし実際は、このアフターサービスが十分に活用されていないケースも少なくない。購入時に説明を受けていても、「何年目に、どういったところまでが補修対象になるのか」を正確に把握している人は多くはないだろう。盲点になりやすいのが「共用部分」もアフターサービスに含まれている点だ。専有部分は確認しても、廊下やエントランスホール、外壁といった共用部分は見落としがちだ。そもそも共用部分にアフターサービスが適用されること自体、認識されていないということも少なくない。

 売り主の責任での補修か、修繕積立金を使うかによって、管理組合の財政は大きく変わる。「築10年」までの対応の差は、将来の「管理費」や「修繕積立金」の負担に直結する。場合によっては、数百万円から1億円を超える負担増となるケースもあるのだ。

● 将来の負担にも直結する 「管理費」と「修繕積立金」

 ここで、「管理費」と「修繕積立金」について見ていこう。これらの費用は、どちらもマンションを維持するために必要なコストだが、その性質は大きく異なる。

 まず、管理費。これはマンションの日常的な維持管理に必要な費用である。具体的には、管理会社への管理委託費、共用部分の水道光熱費、損害保険料などが含まれる。昨今の人件費高騰の影響を受け、管理委託費の値上げ要請が出されているマンションも多く、コストは上昇傾向にある。

 一方の修繕積立金は、将来の修繕工事に備えて積み立てられる費用だ。外壁塗装、屋上防水、給排水管の更新などの定期的な修繕工事はマンション維持に不可欠で、多額な費用がかかるため、毎月一定額を積み立てていく必要がある。修繕積立金は「長期修繕計画」に基づいて算出され、内容はマンションごとに異なるため、「高ければ安心」「安ければお得」と一概には言えない。将来の負担額を正確に把握するためには、「長期修繕計画」の内容を、購入前に確認することが重要となる。



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