EV急速充電器:150kWでも速度が出ない?その理由を徹底解説!

電気自動車(EV)の普及が加速するにつれ、街中で見かける急速充電器も増えました。中でも150kW級の大出力充電器は注目を集めていますが、2台同時に充電すると速度が遅くなるという声も聞かれます。今回は、その理由を分かりやすく解説します。

なぜ150kW充電器で速度が出ないのか?

150kW級の急速充電器は、2台同時に充電できるタイプが主流です。しかし、2台同時に使用すると、1台あたりの出力は90kW程度に低下します。これは、充電器の電力供給能力が分散されるためです。

2台のEVが充電器に接続されている様子2台のEVが充電器に接続されている様子

電力供給の仕組みと設備容量

日本のCHAdeMO規格の150kW急速充電器は、一般的に最大450V電源を使用します。総出力は150kWですが、2台同時に充電すると、ハードウェアの制約により出力が制限されます。

2台に同時に150kWずつ、合計300kWを供給するには、大規模な設備投資が必要となります。そのため、コストを抑えるために、同時充電時の出力を制限する仕様になっているのです。

自動車評論家の山田太郎氏(仮名)は、「急速充電器の設置コストは高額であるため、現状では同時充電時の出力制限はやむを得ない」と指摘しています。

熱管理の重要性

高出力充電器では、発熱による部品の劣化を防ぐため、高度な熱管理が不可欠です。2台同時充電時は冷却システムへの負荷が増大し、過熱を防ぐために出力が制限されます。

150kW級の充電器では、1台での充電でもケーブルの発熱が課題です。「パワーブースト」機能により、最大出力は最初の15分程度に制限され、その後は出力が低下します。

テスラ スーパーチャージャーとの比較

テスラのスーパーチャージャー(SC)は、水冷式ケーブルを採用することで効率的な冷却を実現し、最大250kWの充電を可能にしています。さらに、最新モデルのV4では最大500kWに対応しています。

まとめ:急速充電の未来

150kW級の急速充電器は、技術的な制約から同時充電時に出力制限がかかります。しかし、技術の進歩により、将来的にはより高出力で効率的な充電が可能になるでしょう。EVの普及とともに、充電インフラの進化にも期待が高まります。

EV専門サイト「EVナビ」によると、将来的にはバッテリー技術の向上により、充電時間がさらに短縮される見込みです。