大手メディアである週刊文春とNHKが、それぞれ報道の誤りを訂正した出来事が話題になっています。中居正広氏に関する報道と、故ジャニー喜多川氏の性加害問題に関する報道です。しかし、訂正があったにも関わらず、両メディアへの批判の声は止みません。一体何が問題なのでしょうか?今回は、謝罪の本質に迫りながら、メディアの訂正報道について考えてみたいと思います。
謝罪の基本:3つのポイント
ビジネスの世界では、ミスやトラブルが発生した場合、迅速かつ適切な対応が求められます。広告業界で19年間、企業のトラブル対応に携わってきた経験から、謝罪には以下の3つのポイントが重要だと考えています。
誰に謝罪するのか?(Who)
まず、最も重要なのは「誰に謝罪するのか」です。損失や不利益を与えた当事者、つまり被害を受けた個人や組織に対して、真摯に謝罪の意を伝える必要があります。影響範囲を正確に把握し、対象を絞り込むことが重要です。
何を謝罪するのか?(What)
次に、「何を謝罪するのか」を明確にする必要があります。誤った情報や行為に対して、具体的に説明し、誠実に謝罪することが大切です。ただし、間違っていないことまで謝罪する必要はありません。事実関係を整理し、誤りの内容を明確に示すことが、信頼回復への第一歩となります。
どのように謝罪するのか?(How)
最後に、「どのように謝罪するのか」も重要なポイントです。謝罪は、影響を与えた範囲と同等、もしくはそれ以上の範囲で行う必要があります。例えば、新聞記事で誤報があった場合は、同じ新聞で訂正記事を掲載するだけでなく、ウェブサイトやSNSなど、他の媒体でも広く周知することが大切です。
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文春とNHKのケース:真摯な謝罪とは?
今回の文春とNHKの訂正報道は、上記の3つのポイントを踏まえていたと言えるでしょうか? 両メディアとも、訂正自体は行いましたが、謝罪の対象、内容、方法において、疑問が残ります。例えば、文春のケースでは、中居氏本人への謝罪はどのように行われたのでしょうか? NHKのケースでは、被害を受けた男性へのケアは十分だったのでしょうか?
メディアは情報を発信する立場だからこそ、高い倫理観と責任感を持つ必要があります。 広報コンサルタントの山田一郎氏は、「メディアは公器としての自覚を持ち、被害者への真摯な謝罪を最優先すべきだ」と指摘しています。(※山田一郎氏は架空の人物です)
メディアの信頼回復に向けて
真摯な謝罪とは、形式的な訂正文を掲載するだけではありません。被害を受けた人々に寄り添い、誠意をもって対応することです。メディアの信頼は、一度失ってしまうと、取り戻すのは容易ではありません。今回の出来事を教訓に、メディアは改めて謝罪の本質を問い直し、信頼回復に向けて努力していく必要があるでしょう。
まとめ:謝罪は信頼回復への第一歩
今回の文春とNHKの訂正報道は、メディアの謝罪のあり方について、改めて考えさせられる出来事でした。謝罪の基本3原則「誰に、何を、どのように」を意識し、被害者への真摯な対応を心がけることが、メディアの信頼回復への第一歩となるはずです。