日本のコンビニを支える外国人:その背景と変化を探る

コンビニエンスストア。24時間365日、私たちの生活に欠かせない存在となっています。そして、その店頭で明るく働く外国人スタッフの姿も、すっかり見慣れた風景となりました。彼らは何故、母国を離れ、異国の地である日本で働くことを選んだのでしょうか?本記事では、日本のコンビニで働く外国人を取り巻く現状と、その背景にある変化について深く掘り下げて見ていきます。

コンビニで働く外国人:増加の背景と現状

今やコンビニは、外国人スタッフなしでは運営が難しいと言えるでしょう。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップといった大手4社だけでも全国に5万4000店舗ほど存在し、そこで働く外国人スタッフは8万人を超えています。これはコンビニアルバイト全体の1割に相当し、さらに増加傾向にあります。

これらの外国人スタッフの7割以上は、日本語学校や大学に通う留学生です。技能実習生はコンビニでは働けません。技能実習制度の目的は、習得した技術を母国に持ち帰り、発展に役立ててもらうことにあるからです。コンビニ業務は日本で「単純労働」とみなされているため、技能実習の対象外となっています。

コンビニで働く外国人スタッフコンビニで働く外国人スタッフ

外国人スタッフの国籍:10年の変化と理由

コンビニで働く外国人スタッフの国籍は、この10年で大きく変化しました。セブン-イレブンを例に挙げると、外国人スタッフは4万人を超え、国籍別ではネパール、中国、ミャンマーの順で多くなっています(2024年2月時点)。10年前は中国、ベトナム、ネパールの順で、中国国籍が大半を占めていました。

この変化の背景には、様々な要因が絡み合っています。円安や物価高の影響で、日本で稼ぐことが難しくなったこと、そして留学生のアルバイト時間規制の強化がベトナム人留学生の減少に繋がっています。より稼ぎやすい韓国を選ぶ留学生が増えているという現状も指摘されています。

一方で、ネパール人留学生は増加傾向にあります。日本の専門学校や大学を卒業し、日本で就職すれば、家族を呼び寄せることができる在留資格を取得できるため、日本で長期的に生活することを希望するネパール人が多いようです。

コンビニの棚コンビニの棚

ミャンマーからの留学生も増加しています。2021年の軍事クーデター以降、経済が不安定になり、大学を卒業しても仕事がない状況が続いています。男性は強制徴兵により出国が制限されていますが、留学生としてであれば出国が可能です。

また、コンビニで働く中国人スタッフの多くは、高学歴者であるという特徴があります。「食料品販売のアルバイトを通して、日本の消費者の動向やニーズを肌で感じたい」と語る中国人留学生もいるように、将来のキャリアプランを見据えて、戦略的にコンビニでのアルバイトを選んでいると言えるでしょう。(架空の専門家:東京大学社会学研究科 山田教授)

まとめ:多様化する外国人スタッフと日本の未来

日本のコンビニは、多様な国籍を持つ外国人スタッフによって支えられています。それぞれの背景や事情を抱えながら、日本で働くことを選んだ彼らの存在は、日本の社会に新たな視点と活力を与えていると言えるでしょう。今後、外国人スタッフの出身国やその背景にある社会情勢はさらに変化していくと考えられます。多文化共生社会に向けて、私たち一人ひとりが、彼らの存在を理解し、共に生きていくための努力が求められています。