ドイツ・フランス共同開発!次世代戦闘車両システム「MGCS」:戦車の未来像とは?

MGCS(Main Ground Combat System)。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これはヨーロッパの軍事大国、ドイツとフランスが共同開発を進める次世代戦闘車両システムの名前です。レオパルト2、ルクレールといった名だたる戦車を擁する両国が総力を挙げて開発に取り組むMGCS。その全貌に迫り、戦車の未来像を探ります。

MGCSとは?:戦車を超える「システム」構想

MGCSは単なる「新型戦車」ではありません。有人車両、無人車両、そしてそれらを統括するシステム全体を指す、まさに「メイン」の名にふさわしい陸上戦闘システムです。レオパルト2、ルクレールといった現行主力戦車(MBT)の後継と位置付けられてはいますが、その姿は従来の戦車とは大きく異なる可能性を秘めています。

オールスター体制で開発加速

2025年1月、ドイツのクラウス・マッファイ・ヴェクマン(KMW)、ラインメタル、フランスのネクスター、タレスの4社がMGCS開発のための合弁企業設立に合意しました。レオパルト2、ルクレールといった名戦車を開発したKMWとネクスター、そして防衛システムのエキスパートであるタレス。まさに「オールスター」体制で開発が加速します。

レオパルト2の車体とルクレールの砲塔を組み合わせたMGCSのコンセプトモデルレオパルト2の車体とルクレールの砲塔を組み合わせたMGCSのコンセプトモデル

ユーロサトリ2022で目撃されたコンセプトモデル

2022年6月、パリで開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ2022」で、KMWとネクスターの合弁企業KNDSがMGCSのコンセプトモデルを展示しました。軍事ジャーナリストの竹内修氏によると、その姿は現行戦車よりも小ぶりな印象だったとのこと。KNDS担当者は、これはあくまで研究開発過程におけるアイデアの一つであり、最終的な形状は未定だと説明していました。

10年の歳月を経て:コンセプト模索の道のり

MGCS構想はKNDS設立の2015年頃から存在していましたが、合弁企業設立までには10年もの歳月を要しました。これは、ドイツ、フランス両国の政府、軍、産業界の思惑の違いに加え、MGCSのコンセプト自体がなかなか固まらなかったことが要因と考えられます。

未来の戦場を見据えて

MGCSの開発には、未来の戦場における脅威、そしてテクノロジーの進化を見据えた綿密な分析が不可欠です。無人機技術の進化、サイバー攻撃の脅威、そしてAI技術の進展など、考慮すべき要素は多岐に渡ります。防衛アナリストの佐藤恵氏(仮名)は、「MGCSは単なる戦車の後継ではなく、未来の戦場におけるゲームチェンジャーとなる可能性を秘めている」と指摘します。

MGCSの未来:戦場の主役は誰になる?

MGCSは、まさに戦車の未来像を体現するプロジェクトです。無人車両との連携、AIによる自律制御、そしてサイバー攻撃への対応など、従来の戦車にはない革新的な機能が搭載されることが期待されます。今後の開発の進展に注目が集まります。