アメリカ国民の多くが、ドナルド・トランプ前大統領による大統領権限の拡大に強い懸念を抱いていることが、最新の世論調査で明らかになりました。ピュー・リサーチセンターが2024年5月27日から6月2日にかけて実施した世論調査によると、回答者の65%が、国家の諸問題に対処するためにトランプ氏が大統領権限を拡大させることについて「非常に危険」だと考えていることが分かりました。
党派による意識の差、共和党支持層では懸念の声が低い傾向
この調査結果を詳しく見てみると、党派によって意識の差が顕著に現れています。民主党支持層では90%がトランプ氏による権限拡大を「非常に危険」と捉えている一方、共和党支持層ではその割合は39%にとどまりました。この数字は、党派間の分極化が依然として根深いことを示唆しています。
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大統領権限の拡大に対する懸念、トランプ氏に限らず高い水準
注目すべきは、この懸念がトランプ氏個人に向けられたものだけではないということです。調査では、トランプ氏に限らず、アメリカ大統領の権限拡大全般について「非常に危険」と回答した人が78%に達しました。これは、大統領権限の拡大に対する国民の警戒感が高まっていることを示す重要なデータと言えるでしょう。政治アナリストの山田一郎氏は、「この結果は、アメリカ国民が三権分立の原則を重視し、大統領権力の過度な集中を懸念していることの表れだ」と分析しています。
今後の政治動向に与える影響
今回の世論調査の結果は、今後のアメリカ政治の行方に大きな影響を与える可能性があります。特に、2024年の大統領選挙に向けて、各候補者は大統領権限の在り方について明確な立場を示す必要に迫られるでしょう。有権者の関心も高まっており、大統領権限に関する議論は今後さらに活発化していくと予想されます。
ピュー・リサーチセンターについて
ピュー・リサーチセンターは、アメリカのワシントンD.C.に拠点を置く非営利のシンクタンクです。世論調査や社会調査を通じて、アメリカ社会の動向や国際情勢に関するデータを提供しています。その信頼性の高さから、メディアや政策立案者からも広く活用されています。