日産自動車とホンダの経営統合協議が突如破談となりました。一体何が起こったのでしょうか? 本記事では、子会社化提案の背景、日産の経営判断の是非、そして今後の展望について、元経営幹部への取材を元に深く掘り下げていきます。
子会社化提案への反発:対等合併を望んだ日産
経営統合破談の直接的な原因は、ホンダによる日産の子会社化提案でした。対等合併を想定していた日産にとって、この提案は到底受け入れられるものではありませんでした。2月5日の取締役会で、日産はホンダとの交渉打ち切りを決定。基本合意書締結からわずか1か月半での白紙撤回という異例の事態となりました。
日産元共同会長の小枝至氏は、本誌の取材に対し「いきなり子会社化というのもね。だんだんやらないと、反発は出ますよね」と語り、ホンダの強引な提案に疑問を呈しました。
日産とホンダの経営統合破談のイメージ
グプタ氏退任の影響:迷走する日産経営
ある元経営幹部は、2023年のアシュワニ・グプタ氏(元最高執行責任者)の退任が、日産経営の迷走を招いたと指摘します。グプタ氏は、内田誠社長のもとでナンバー2として辣腕を振るい、日産の事業立て直しを推進していました。しかし、日産は退任理由を明確にせず、その突然の退社は様々な憶測を呼びました。
「グプタ氏は非常に有能な経営者でした。しかし、彼の経営観が現体制に受け入れられず、追い出されてしまったのでしょう。その後、内田社長も、同じような考え方の人たちに囲まれ、意思決定が難航しているように見えます。」と元経営幹部は語ります。
カルロス・ゴーン氏時代のような強力なリーダーシップを失った日産は、進むべき道を模索している状態と言えるかもしれません。
今後の日産:再建への道のりは険しい
今回の経営統合破談は、日産にとって大きな痛手となりました。業績悪化が続く中、再建への道のりは険しさを増しています。今後、日産はどのような戦略でこの難局を乗り越えていくのでしょうか。独自の技術力とブランド力を活かし、新たなパートナーシップの模索など、今後の動向に注目が集まります。
元経営幹部は、「ゴーン氏がいたほうが良かったと言われてしまう状況です。ゴーン氏は退かざるを得なかったわけですが、結局、元に戻ってしまったように見えます。」と現状を嘆きます。日産の再生には、大胆な改革と強力なリーダーシップが不可欠と言えるでしょう。