橋下徹氏「無責任極まりない」維新・前原共同代表「一方的に言われても」フジ生放送で激しく議論


【写真】橋下徹氏と激論を交わした前原誠司氏

 番組では自民党の田村憲久元厚労相、日本維新の会の前原誠司共同代表、国民民主党の古川元久代表代行がスタジオ出演し、高校無償化や年収の壁などについて議論した。

 前原氏は高校無償化に向け、私立高に通う家庭の支援金上限63万円、所得制限なしとした維新案について説明した。一方で橋下氏は「教育の無償化について維新の国会議員の議論が非常に荒いと感じるのは、63万円の根拠を授業料プラス施設整備費と言っているんですが、実は私学に通うと修学旅行代やら何やらでもっとお金がかかる。維新の国会議員は『63万円でキャップ(授業料の上限)をはめない』と言っている。これ、大阪でキャップをはめるのに、私学団体とものすごいバトルがあって。キャップを外すということになれば、私学はどんどん上乗せしてきますよ。で、保護者負担が増えてきます」と指摘した。さらに「所得制限撤廃と言いますけど、国の制度との整合性がとれてないのが、大学の無償化に関しては資産要件がある」とした。

 一方の前原氏は、所得制限を設けないのか、という問いに対し「所得の高い人ほど税金を払っていて、税金を払っている子供のサービスが届かないというのはおかしい」とコメント。「私学の所得要件の590万円って、子供さんが2人3人いたら全然足りない。(公私立対象の)910万円にしたって、都市部だと住宅費も生活費も高い。それで線を引かれたらどうなのか、どこで引くんですか、という話」と主張した。これに対し橋下氏は「910万円がキツイのはその通り」と現状の所得制限に問題があることは認めた上で、維新の社会保険改革案では高齢者で負担能力がある人に自己負担を求めていることとの矛盾を指摘した。

 その後、年収の壁の話題になった中で、橋下氏は「限られた財源で政治というのは優先順位をお金を使っていくのが役割なので、前原さんの言った所得制限撤廃というのは僕は反対。どこのラインまでを支えるのか議論するのが政治だと思っている。年収の壁も、いくらにするかラインを引くのが政治の役割」とコメント。ここで前原氏は「どこで線引きするんですか。590万円、910万円を、どこで線引きするんですか」と疑問を呈した。橋下氏は「それは1000万円なのか2000万円なのか、政治が議論しなきゃいけない。だって資産要件で5000万円、3億円って政治がライン引いている」と、大学の授業料支援についての資産要件を例にあげると、前原氏は「5000万円、3億円を決めたのは私じゃないですけどね」とした。

 この発言に対し橋下氏は「それは政治が決めているから逃げちゃいけない」と指摘。その後も「いくらの所得の人たちに支援するのか、いくらの所得の人たちは自分でやってもらうのか、議論するのが政治」と繰り返すと、「前原さんが『所得要件は自分たちが決めたわけじゃない』というのは無責任だと思いますよ」と断じた。前原氏は「子供の教育については、所得制限は設けないということを我々は決めたんです」と返したが、橋下氏は「資産要件はどうするんですか。それは『自分らが決めてない』って。これは政治としては無責任極まりない」と応酬した。

 前原氏は「一方的に言われても…。そういうものはちゃんと議論していきますよ」と苦笑いを見せながら「何度も申し上げるけど、お金持ちほど税金を払っていて、そういう人たちがサービスを受けられないということは社会の分断を生む。自分たちが税金を払っているのに何で自分たちの子供だけはサービスを受けられないのか。みんなが負担をして、みんながサービスを受けられるという社会を求める、と申し上げている」と主張。激しい論戦を繰り広げた。



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