【ワシントン=大内清】米国務省が公式サイトで公開している米台関係を概説した文書「ファクトシート」が更新され、従来は盛り込まれていた「台湾独立を支持しない」との文言が削除されたことが分かった。更新は13日付。国際機関への参加支持についてもやや表現を強めた。台湾を不可分の領土とみなす中国が反発を強めるのは必至だ。
更新された文書は中台問題に関し、「威圧を伴わない、両岸の人々が受け入れ可能な形での平和的手段による解決を期待する」とし、「平和的手段による解決を期待する」としていたバイデン前政権期よりも踏み込んだ表現となった。
一方で、前政権と同様に「米国には長年にわたる『一つの中国』政策がある」とし、中台どちらからのものでも「一方的な現状変更には反対する」との立場も堅持した。
台湾の国際機関参加では、「ふさわしい場合には加盟を含め、国際機関への台湾の有意義な参加を支持する」とし、国家であることを要件としない国際機関への加盟を支持するなどとしていた従来の表現を改めた。
国務省はバイデン政権下の2022年にも一時、ファクトシートから「台湾独立を支持しない」との文言を削除し、中国との関係が緊張した経緯がある。