複数の従業員を脅して性的暴行を繰り返したとして、四つの事件で準強制性交罪などに問われた福岡県糸島市の元ペットショップ経営の被告(66)の裁判員裁判の公判が12日、福岡地裁であった。検察側は懲役30年を求刑する一方、弁護側は無罪を主張し、結審した。判決は25日。
検察側は論告で「従業員を私物化し、日本刀で死の恐怖を与えるなどして性のはけ口にすることを繰り返した。過去に類をみない悪質な犯行」と主張。これに対し、弁護側は「女性らとはいずれも親密な関係で、拒絶が困難な状態ではなかった」などと反論した。
この日は、被害を受けた女性らが意見陳述。幼い頃から大好きだった犬や猫の世話をするため就職したという女性(30歳代)は「(被告自身が)暴力団関係者だと脅され、奴隷同様に搾取され続け、心も体も尊厳も踏みにじられた。できるだけ重く長い刑を与えてほしい」と訴えた。