米倉涼子 西田敏行さんお別れの会 弔辞で涙「目指したい存在ナンバーワン」「大好きだよ」


【写真】西田敏行さんのお別れの会で弔辞を読み、涙する米倉涼子

 米倉は「いつしか西田さんからトシちゃんいう存在。憧れから願い叶って、共演者、飲み仲間、カラオケ仲間、そして相談相手にもなっていただき、いつしか目標とする俳優になりました」と声を詰まらせながら西田さんとの思い出を振り返った。

 「『ドクターX』のドラマを通じて家族同然の存在となり、2013年の共演からあっという間に経ってしまいました。そして、まるでワープでもしたかのように逝ってしまった」と回想。西田さんの死について「心の準備もなく電車の中で大声を上げて、泣いたことをはっきりと覚えてます」と悲しみをあらわにした。

 続けて、「喜怒哀楽を自由自在に表現し老若男女の壁も壊し友好関係を広げ体いっぱいで人生を謳歌してるように見えたトシちゃんは、私にとって俳優としても人間としても目指したい存在ナンバーワンなのです」と敬意を払った。

 「トシちゃんのその敏感なアンテナを私も含め、誰もが羨ましく思っているのではないでしょうか。甘えたり、怒ったり、意見したり、笑わせたり、トシちゃんはどんな時も人の中心にいました。本当はもっと宴の席でトシちゃんの大好きな友人たちともお会いし、つながりたかったなと思っていましたが、今こうして皆さんにお会いすることができました。ありがとう」と語った。

 米倉にとって西田さんは指針のような存在だった。「役者としての基礎を持たない私がずっと不安で探し求めているお芝居をする上での根本的なことをトシちゃんの背中を見て気付かせてもらった気がします」と感謝。「この気付きや発見、そして悩みはまだまだとめどなく続きがありそうですけど、これが役者としての面白いところだよね」とほほ笑み、「惜しみない愛情がこもったたくさんのアドバイス心からありがとうです」とした。

 「本当は悲しいし、まだまだたくさん同じ時間を過ごしたかったけれど、天国からこれからもずっと日本のエンターテインメント界を見守ってください。そして、気が向いたら私の体を使ってお芝居をしに来てくださいね」と天国の西田さんに呼びかけ、「大好きだよ」と声を震わせた。

 西田さんは2013年放送の第2シリーズから同作に出演。米倉演じる大門未知子を目の敵にする蛭間重勝を愛嬌(あいきょう)たっぷりに演じ、唯一無二のキャラクターを作り上げた。亡くなる9日前の10月8日にはシリーズ完結編の映画「劇場版ドクターX」の完成報告会見に出席していた。米倉は西田さんのことを「トシちゃん」と呼んでおり、公私にわたって深い親交があった。

 西田さんは47年(昭22)11月4日、福島県出身。67年にTBSドラマ「渥美清の泣いてたまるか」で俳優デビュー。70年に劇団青年座座員となった。主な出演作はドラマ「西遊記」「池中玄太80キロ」、「ドクターX」、映画「敦煌」「ゲロッパ!」など。「釣りバカ日誌」シリーズは88~09年まで22作に主演。歌手として「もしもピアノが弾けたなら」などでNHK紅白歌合戦に4回出場。08年紫綬褒章を受章した。



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