安芸高田市の藤本市長、こども園の移転先表明 石丸前市長の計画変更


 この日、市役所であった新年度予算案発表の記者会見で、藤本市長は「小学校とこども園が離れ、小さいお子さんを持った家族が分散するのもよくない。吉田小学校区内がベストではないか」と話した。吉田運動公園は、3施設のある場所から西に約1キロ離れている。一般会計当初予算案に用地の購入費として3500万円を計上した。地権者と交渉中で、29年4月の開園をめざすという。

 3施設は吉田保育所、みつや保育所と吉田幼稚園で、計約140人が在籍。2施設は土砂災害特別警戒区域にあり、移転が急務となっていた。

 石丸前市長は22年11月、3施設から約5キロ離れた同町山手の旧田んぼアート公園予定地に、公園と一緒に認定こども園を整備する方針を発表。市は23年度当初予算案に基本構想策定費を計上した。だが、議会がこれを削除する修正案を可決。市は同年12月の補正予算案に再び計上したが、議会が同じく削った。

 削除理由として、議会側は「1小学校区に1保育所」の原則が崩れることや、住民への説明不足などを挙げ、石丸前市長との対立が続いていた。

 石丸前市長は辞任する直前の24年5月に基本構想策定費を専決処分したが、議会は6月定例会でこれも不承認とした。

 藤本市長は24年7月の就任後、校区外移転の見直しを表明。基本構想策定業務の公募手続きを中止し、吉田小学校区内での候補地の選定を進めていた。(柳川迅)

朝日新聞社



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