16年ぶり宮内庁HP刷新、QuizKnockとコラボ!発信改革に見えた天皇皇后両陛下の「皇室への危機感」


【写真あり】2月12日に、リニューアルされた宮内庁のホームページ

「オンラインを通じたご視察はコロナ禍で始まった試みでしたが、行動制限が緩和されて以降も、日程や交通の便などの問題から行幸啓が難しい遠隔地のご視察が可能になるため、両陛下も積極的に活用されています。こういった“令和流”の新たな取り組みは、このほかにも着実に形を見せ始めています」(皇室担当記者)

その一つが、16年ぶりとなる宮内庁公式ホームページ(以下、HP)の大刷新だった。対馬市のご視察の前日、宮内庁はリニューアルしたHPを公開した。

写真のサイズも大きく表示されるようになったほか、ビジュアル面で大きく様変わりが。「見る」「知る」「訪れる」の3つのキーワードに沿う形で、皇室のご活動やご日程、皇室の制度、参観案内などのコンテンツが閲覧できるように変化したのだ。宮内庁関係者は、

「発信している情報の中身には大きな変化はありませんが、まずデザインが大幅に刷新されました。一般の国民がふだん立ち入ることができない宮殿内の一部を360度のパノラマで見られるコーナーや、公式インスタグラムを連動して表示したり、さらにはスマートフォンでHPにアクセスしても、見やすいサイズで表示されるようになりました。

かなり思い切ったリニューアル第1弾となったわけですが、こうした変化は天皇陛下と雅子さまのご了解のうえで進められています。民間からの中途採用者の知見も参考にして、2025年度には内容の刷新も検討されています」

両陛下が主導されたこの令和の大刷新の狙いは、どういったところにあったのか。1999年7月に開設されたHPの制作に、当時、宮内庁の行政情報化担当として携わった皇室解説者の山下晋司さんはこう話す。

「当時は毎年発行していた『宮内庁要覧』という皇室の方々の略歴や施設の概要などを掲載した冊子がありました。HPはその掲載内容をベースにしました。宮内庁のドメインの一部は『kunaicho』ですが、“kunaichou”のほうがよいといった意見が出るなど、すべてがゼロからの出発でした。HPはセキュリティを重視し、“上品でわかりやすく”などを心がけて制作しました。

その25年前のHPをベースに追加、改修を重ねてきましたが、スマホでの閲覧が多い現在には合わなくなってきていました。ですから、今回の刷新は必要不可欠だったといえます」

時代に合わせた発信の形を模索することは、皇室の未来を考えるうえでも欠かせないことだと、名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは指摘する。

「皇室には長い歴史に根差す伝統がありますが、その名のもとに“あぐらをかく”ような状況は、好ましいこととは言えません。象徴天皇制は、国民からの支持がなければ成り立たず、特に若い世代に皇室の存在意義を理解してもらわなければ、皇室の存続が将来的に困難になっていく可能性もあるのです。

“なぜ日本に皇室があるのか”“どういう活動をしているのか”ということを、わかりやすく若い世代に伝えるうえでも、HPの刷新という取り組みは意義が大きいことだと思います。今後の内容面の刷新においては、天皇皇后両陛下をはじめ皇室の方々の幼いころからのお言葉や行動などを丁寧に載せながら、お人柄がいっそう伝わる工夫を期待しています」



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