コメ不足の背景に“異業種の参入”も 「ITや鉄工所の方が来たり…」 取引のない業者からも「大量のコメがほしい」


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埼玉県内にあるコメ農家。すでに秋の収穫に向けて動き出していますが、最近ある変化が。

小池農園 小池貴史さん 
「ネットなどでお米の販売情報を探して、直接取りに来る方が増えた」

個人客からの問い合わせです。

小池農園 小池貴史さん
「わずか3か月・4か月くらいでかなりの量を販売した。11月にはこの山が5個あった」

去年11月には150袋ありましたが、すでに30袋になりました。なぜ今、コメが少なくなっているのか?要因の一つとして挙げられているのが、「異業種の参入」です。

都内のコメ専門店で話を聞くと…

隅田屋商店 片山真一 代表
「普段買いに来ない人たちも買いに来ている。IT・鉄工所の方が来たというのを聞いたことがある」

こちらの店では、これまでに取引のない業者から大量のコメがほしいという連絡もあったといいます。
 
江藤拓 農林水産大臣(先月31日)
「コメはある。やはりどこかにスタック(停滞)していると考えざるを得ない」

しかし、こうした国の認識が間違っていると指摘する専門家も…

東京大学 鈴木宣弘 特任教授
「政府の見解は 『とにかくコメは余っている、足りている』だけど、本当にそうかと。根本原因は流通の問題ではなくて、本質はコメが足りてない」

「コメが足りていない」とはどういうことなのか。そもそも、人口減少などでコメの需要=消費量が減るなか、国はコメが余らないように生産量をギリギリに抑えてきました。そこに猛暑がおそい、2023年の生産量は661万トンまで減少。需要に対して、40万トン以上コメが不足する事態になったのです。

実際、去年の6月ごろから徐々にスーパーの棚からコメが消えました。専門家は、構造的なコメ不足は去年秋の収穫後も続いていて、今年の夏も再び起きる可能性があると指摘します。

東京大学 鈴木宣弘 特任教授
「先食い状態と言うんですか、もう2024年産のお米を徐々に消費していくはずが、みんなもう先に確保しちゃって」

そのうえで、根本的な解決のためにはコメの生産を抑える政策をやめるべきだと指摘します。ただ、農家からは…

小池農園 小池貴史さん
「いきなり転換はできない。コメが足りないからっていっても年1回しか作付けできないから、急に生産量ってなかなか増やせない」

令和のコメ騒動はコメ政策の見直しを迫っています。

TBSテレビ



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