「扉を開けたままトイレに…」「帰宅時に意識もうろう」介護の夜勤実態、労組が調査結果を発表


この調査は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホームなどの介護現場で働く職員の夜勤状況を全国規模で把握するため、毎年実施しているもので、今年が12回目。

医労連で介護対策委員会事務局長を務める寺田雄氏は「長時間労働や出勤回数など、介護現場での夜勤状況が全く改善されていないことは明らか。過酷な状況がずっと続いている」と訴えた。

約40%が“指針超えて夜勤”

調査の結果、2交代夜勤を実施している施設が全体の88.4%を占めており、そのうち84.8%の施設では、16時間以上の長時間勤務が行われていることがわかった。

さらに、2交代夜勤の場合、1人の職員で夜勤を担当している職場が67.1%あり、寺田氏は「2階建ての建物で、2人が夜勤をしているように見えても、実質的にはそれぞれが1フロアずつを担当していて、1人夜勤が行われているケースもある」と説明した。

介護には夜勤回数に関する上限規制がないものの、看護師の場合は、月の夜勤日数を8日以内(2交代夜勤に換算すると4回以内)とする国の指針がある。この指針を今回の調査結果に当てはめた場合、2交代夜勤で働く人のうち約40%が指針を超えて夜勤に従事していることになるという。

加えて、回答のあった施設のうち、32.7%の施設には仮眠室が無く、特に看護小規模多機能型の施設では60%が設置無しという結果になった。

ほかにも、利用者の生活リズムにあわせるため、職員の勤務シフトの種類が平均で5.1通り、もっとも多いところでは9通りとなっていることなどが明らかになったという。

これらの調査結果を踏まえ、日本医労連では3月中に厚労省に対する要請行動を予定していて、寺田氏は「複数人体制での夜勤を原則とすることや、休憩をしっかりとれる体制の整備を求めたい」と話した。



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