ヤフーも楽天市場も舞台となって
人気化粧品のニセ物を販売したとして、大阪府警は2月12日、大阪市北区で不動産業やマーケティングなどを手掛ける企業・ELITE(エリート)(大阪市北区)社長の河原一聖(35歳)=大阪市=、同社取締役の高井慧冴(24歳)=同市=ら3人を商標法違反(侵害とみなす行為)と医薬品医療機器等法違反(模造医薬品の販売)の疑いで逮捕した。
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ニセ化粧品は中国から顧客に直送されており、日本人グループと中国人グループが結託して仕掛けた大規模な犯罪スキームだとみて、府警は捜査を進めている。
「現代ビジネス」は、昨年5月にエリート社が組織的にニセ物を販売しているとの情報を得て、取材を進めてきた。複数の関係者によると、ヤフーショッピングや楽天市場、メルカリなどのECサイトを通じて、資生堂やロート製薬などの複数の日本メーカーの人気化粧品のニセ物を販売されており、一部では健康被害も報告されている。
今回の逮捕容疑は、富山市の製薬会社「水橋保寿堂製薬」の人気商品でまつ毛美容液の「EMAKED」(税込6600円)の模造品6個を、ECサイトを通じて、客1人に1個4千円、計2万4千円で販売し、水橋保寿堂の商標権を侵害するなどしたというもの。
大阪府警は1月22日にも、関係する別会社の男ら2人を資生堂の人気化粧品ブランド「クレ・ド・ポーボーテ」の化粧下地「ヴォワールコレクチュールn」の模造品を販売したとして、医薬品医療機器等法(模造医薬品販売)などの疑いで逮捕している。首謀者の一人と目される中国国籍で日本在住だった男は所在不明になっており、府警は犯罪収益移転防止法容疑の逮捕状を取って行方を探しているという。
「クレ・ド・ポーボーテの化粧下地、『国内正規品』と謳って偽物をメルカリで販売している人たくさんいて悲しい」
「オバジC25、amazonで安いな〜と思って買ったら、いつもと色が違う！」
SNS上では、特定の大手メーカーの人気化粧品について、以前から偽物によるものと見られる被害に遭った人の投稿が散見されていた。
クレ・ド・ポーボーテは資生堂が1982年から販売する高級化粧品ブランド、オバジはロート製薬が2001年から販売する高級美容液ブランドで、高級感や品質の高さからロングセラーになっている。正規品であれば、クレ・ド・ポーボーテで化粧下地の「ヴォワールコレクチュールn」は税込7,700円、美容液「オバジC25セラム」は税込11,000円だ。
