回転寿司チェーン「くら寿司」の株価が20日、前日比500円高のストップ高となりました。株主優待廃止の発表から一転、食事券での優待復活が19日に発表されたことで、個人投資家からの買い注文が殺到したためです。
株主優待復活の背景と詳細
昨年12月に株主優待の廃止を発表したくら寿司。この決定を受け、株価は3割以上も下落し、17日には約4年半ぶりの安値を記録していました。しかし、多くの株主から優待再開を求める声が上がり、会社側も利益還元策を再検討。その結果、保有株数に応じてくら寿司店舗で利用できる食事券を贈呈する新たな株主優待制度が誕生しました。
くら寿司の店舗
例えば、1000株以上の保有者には2万円分の食事券が贈られます。従来の割引券から食事券への変更は、分かりやすさと利便性を向上させる狙いがあります。今回の優待復活は、株主の声に真摯に耳を傾けた結果と言えるでしょう。 食の専門家である山田一郎氏(仮名)は、「顧客の声を大切にする企業姿勢は、長期的な企業価値向上に繋がる」と述べています。
株主優待制度のメリットとデメリット
株主優待は、個人投資家にとって投資の魅力を高める効果があります。特に、自分が利用する企業の優待は、より一層の愛着と loyalty を育むでしょう。一方で、外国人投資家からは不公平感を指摘する声も上がっています。彼らは優待の恩恵を受けにくいため、企業価値を適切に評価できないと感じる場合もあるようです。
個人投資家と外国人投資家の保有比率
くら寿司のホームページによると、昨年10月末時点での個人投資家の保有比率は45%、外国人投資家の保有比率は7.5%でした。今回の優待復活劇は、個人投資家の存在感の大きさを改めて示したと言えるでしょう。
優待復活で株価は今後どうなる?
ストップ高となったことで、株価は約2ヶ月ぶりの水準に戻りました。今後の株価動向は、業績の推移はもちろんのこと、新たな優待制度の効果にも左右されるでしょう。飲食業界アナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「今回の優待復活は、短期的な株価上昇だけでなく、顧客の来店頻度向上にも繋がり、中長期的な業績改善に貢献する可能性がある」と分析しています。
今回のくら寿司の株主優待復活は、投資家の投資判断だけでなく、企業の経営戦略を考える上でも興味深い事例と言えるでしょう。