【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は6日、フランスのマクロン大統領と北京の人民大会堂で首脳会談を行った。中国国営新華社通信によると、トランプ米政権が離脱を国連に通知した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に関する協力を継続することを確認した。中国はフランスとの協調でトランプ政権を牽制(けんせい)するとともに、温暖化分野での国際的な発言力を増す考えとみられる。
習氏は会談後の共同記者発表で「(中仏両国が)より多くの責任を引き受け、大国の責任を示すべきだ」と強調。世界貿易機関(WTO)のルールに基づく多国間貿易体制を共同で守る考えも示しており、保護主義的な通商政策を推し進めるトランプ政権を念頭に置いたものとみられる。
経済分野での関係強化も示され、中国の航空会社による旅客機の購入継続を支持することなどを確認。また、4月に火災が起きたパリのノートルダム大聖堂の修復に関する協力を決めた。中国の専門家が修復作業に参加するという。
今年3月にフランスを訪問している習氏は、両国が国交を結んでから55年を迎える今年に両首脳が相互に訪問したことについて触れ、「中仏関係が新たな段階に踏み出すことを促進する」と意義を強調した。
マクロン氏の訪中は大統領就任以来2度目。5日には上海で開幕した「中国国際輸入博覧会」に出席した。習氏とマクロン氏は、5日夜にも上海で両夫人を交えて会見している。