天皇陛下のご即位を祝う9日の「国民祭典」に、北朝鮮による拉致被害者の家族が出席することが6日、分かった。皇室からはこれまでに家族を気遣うお言葉があり、横田めぐみさん(55)=拉致当時(13)=の弟の拓也さん(51)は、「数多くのいたわりを頂いてきた。同じ場にいることで、感謝の気持ちをお示ししたい」としている。
国民祭典は、超党派の議員連盟や、財界などでつくる「天皇陛下御即位奉祝委員会」などが主催。天皇、皇后両陛下もお出ましになることが決まっている。委員会側は皇室とゆかりが深い団体などを祭典に招待しており、拉致被害者家族らを支援する「救う会」に出席を打診。同会が家族に声がけした。
祭典は2部構成で、関係者によると、家族は夕方からの第2部「祝賀式典」に出席予定。拓也さんや、田口八重子さん(64)=同(22)=の長男、飯塚耕一郎さん(42)ら約10人の出席が見込まれている。
拉致をめぐっては、上皇后さまが昨年10月に84歳の誕生日を迎えた際、文書で「平成の時代の終焉と共に急に私どもの脳裏から離れてしまうというものではありません」と、変わらぬ思いを述べられている。
今回の祭典で、両陛下と家族との直接的な交流の場面はないとみられるが、拓也さんは「拉致が進展せずに折れそうになる心に、勇気を頂いてきた。今の両陛下も同じく、われわれ国民に寄り添う目線を引き継いでいらっしゃると思うので、同じ空間に立つことで謝意をお示ししたい」と話した。