【大前プジョルジョ健太氏】TBS退社、危険な国境越えドキュメンタリーの裏側

TBSの人気番組『不夜城はなぜ回る』の名物ディレクターとして活躍し、ギャラクシー賞も受賞した大前プジョルジョ健太氏。将来を嘱望されながらも突如TBSを退社し、世間を驚かせました。現在はフリーランスとして危険な国境越えに挑戦する移民に密着したドキュメンタリー番組『国境デスロード』(ABEMA)を手がけ、再び注目を集めています。今回は、彼のテレビマン人生、TBS退社、そして新たな挑戦に至るまでの道のり、知られざる葛藤に迫ります。

テレビマンを志した意外なきっかけ

テレビマンを目指したきっかけは、意外にも一目惚れだったという大前氏。大学時代にアナウンサー志望の女性に惹かれ、同じ映像制作ゼミに入ったことがすべての始まりでした。映像制作にのめり込むうちにマスコミへの就職を意識し始めたそうです。

東日本大震災の復興支援で東北を訪れた際、仮設住宅で暮らす人々がテレビの話題で笑顔になる姿を見て、多くの人々に情報を届けるテレビの力に感銘を受けたことも、テレビマンを志す大きな要因となったと言います。

大前プジョルジョ健太氏大前プジョルジョ健太氏

憧れのTBS入社と報道部での葛藤

第一志望だったTBSに入社した大前氏。自由な社風と報道への力の入れ方に魅力を感じていたと言います。特に『万年B組ヒムケン先生』のような一般の人々に焦点を当てたドキュメントタッチの番組に憧れを抱き、自身も制作したいという強い思いがあったそうです。

入社後は報道部に配属。しかし、同棲していた当時の彼女が報道に対して批判的な考えを持っていたため、板挟みになり葛藤を覚えるように。報道番組の重要性を理解しつつも、マイノリティーの意見も尊重すべきだと考えるようになり、最終的にはバラエティ番組への異動を希望しました。

TBS退社、そして「国境デスロード」へ

ギャラクシー賞を受賞し、TBSの将来を担う存在として期待されていた大前氏。しかし、昨年突如退社を選びました。退社後は運搬のアルバイトで生活費を稼ぎながら、自身の番組制作に打ち込んでいたそうです。

そして現在、ABEMAで配信されている『国境デスロード』で再び脚光を浴びています。危険な国境越えを試みる移民に密着したこのドキュメンタリーは、大前氏が企画・総合演出、そして自ら取材も担当しています。

大前プジョルジョ健太氏 過去作品大前プジョルジョ健太氏 過去作品

新たな挑戦への情熱

大前氏の好奇心旺盛な性格と、人々の心に寄り添う姿勢は、彼の番組制作にも色濃く反映されています。『国境デスロード』は、まさに彼の信念と情熱が詰まった作品と言えるでしょう。今後の更なる活躍に期待が寄せられています。