中国、元愛知県市議に無期懲役 覚醒剤運搬で 死刑回避、被告は無罪訴え上訴方針


 【北京=西見由章】中国の広東省広州市中級人民法院(地裁)は8日、空港で手荷物から覚醒剤が見つかり薬物運搬罪に問われた愛知県稲沢市の元市議、桜木琢磨被告(76)に無期懲役の実刑判決を言い渡した。桜木被告は公判で無罪を主張しており、弁護人によると上訴する方針。

 桜木被告は2013年10月、広州市の空港から上海経由で帰国する際、スーツケースに入った厚底靴の靴底などから覚醒剤約3・3キロが見つかり拘束された。桜木被告は公判で「知人から商品サンプル入りのスーツケースを日本に運ぶよう依頼されたが、覚醒剤が入っていることは知らなかった」として無罪を主張していた。

 中国の刑法は覚醒剤50グラム以上を運搬するなどした場合、懲役15年か無期懲役、死刑の適用を規定。14年8月の公判で検察側が同様の求刑を行っており、押収された覚醒剤が大量だったことから死刑判決の可能性があった。

 一方、中国の刑法は75歳以上には原則として死刑を適用しない規定がある。14年の結審以降、5年以上にわたって判決の延期が繰り返され、桜木被告は昨年9月に75歳になったことから死刑は実質的に回避された。



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