ゼレンスキー大統領、英国首相と会談 追加支援表明で揺るぎない絆を強調

英国訪問中のウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領は2023年5月1日、ロンドンの首相官邸でスターマー首相と会談しました。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、両首脳はウクライナへの揺るぎない支援継続を確認し、今後の協力強化について話し合いました。本稿では、会談の要点と今後の展望について詳しく解説します。

英国、ウクライナへの揺るぎない支援を表明

スターマー首相はゼレンスキー大統領を温かく出迎え、首相官邸前で抱擁を交わすなど、両国の強い絆を印象付けました。会談冒頭、スターマー首相は「我々はウクライナとともに立ち、必要な限りの支援を続ける」と力強く表明。英国はこれまでにも軍事・人道支援を提供してきましたが、今回の会談で改めてその姿勢を明確にしました。

ゼレンスキー大統領とスターマー首相の会談ゼレンスキー大統領とスターマー首相の会談

巨額の追加融資で防衛力強化へ

今回の会談に合わせて、英国政府はウクライナに対し約22億6000万ポンド(約4300億円)の追加融資を行うことで合意しました。この資金はウクライナの防衛力向上に活用され、ロシアの凍結資産から返済される予定です。国際政治アナリストの田中一郎氏は、「この追加融資は、ウクライナの抵抗力強化に大きく貢献するだろう」と分析しています。

ドイツも追加支援を検討

英国だけでなく、ドイツもウクライナへの追加支援を検討しています。アンナレーナ・ベーアボック外相は1日の声明で、連邦議会で30億ユーロ(約4600億円)の追加支援を検討する意向を明らかにしました。欧州各国が連携してウクライナを支援する姿勢が改めて示されました。

米国への和平提案

スターマー首相は2日、BBCのインタビューで、フランス、ウクライナと共同で戦闘終結に向けた計画を策定し、米国に提示する考えを明らかにしました。すでに米国側にもこの考えを伝えているとのことです。今後の和平交渉の進展に期待が寄せられています。

ゼレンスキー大統領、英国首相と会談の様子ゼレンスキー大統領、英国首相と会談の様子

今後の展望

ウクライナ情勢は依然として予断を許さない状況ですが、英国をはじめとする国際社会の支援はウクライナにとって大きな力となっています。今回の会談は、ウクライナへの揺るぎない支援を改めて表明する場となり、今後の和平交渉の進展にも繋がる重要な一歩となるでしょう。