食欲を司るホルモン「グレリン」。実は胃から分泌されているってご存知でしたか?胃がん手術で胃の全摘出を宣告されても、希望を捨てないでください。最新の医療では、この「グレリン」を守る手術法が進んでいます。この記事では、胃の重要な役割と、グレリンを守る手術について分かりやすく解説します。
胃の驚くべき役割:消化だけじゃない!食欲もコントロール
胃は、食べ物を一時的に貯蔵するだけの「袋」ではありません。消化の第一歩を担うだけでなく、食欲をコントロールする重要な役割も持っています。「胃袋が大きい人はたくさん食べられる」というイメージがありますが、実は胃の大きさと食欲は関係ありません。食欲の鍵を握るのは、胃から分泌されるホルモン「グレリン」なのです。
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食欲増進ホルモン「グレリン」:胃穹窿部がカギ
胃がん手術で胃を全摘出する場合でも、可能な限り残すべき部位があります。それは「胃の上部」と「胃穹窿部(きゅうりゅうぶ)」と呼ばれる餃子ほどの大きさの部分です。実は、この小さな部位こそがグレリンの分泌源なのです。
胃穹窿部から分泌されたグレリンは、脳の視床下部に作用し、食欲を刺激して空腹感をもたらします。グレリンの約9割は胃穹窿部から分泌されるため、ここが残っているかどうかが術後の食欲に大きく影響します。
グレリンを守る手術:胃を残して「食べる喜び」を守る
3000例以上の胃の手術経験を持つ外科医、比企直樹医師(仮名)は、「胃がんの手術において、胃を全摘出する場合でも、胃穹窿部を残すことが重要」と指摘しています。「胃穹窿部が無事であれば、胃の大きさに関わらず、食欲を維持し、術後も食事を楽しむことができます」と比企医師は語ります。
残された胃が大きくても、グレリンを分泌する胃穹窿部がなければ食欲は維持されません。生きる活力を保つためには、グレリンの分泌を守ることが重要なのです。
胃がん手術の最新事情:希望を捨てないで
胃がんと診断され、手術が必要な場合でも、諦めないでください。グレリンを守る手術法など、患者のQOL(生活の質)を重視した治療法が日々進歩しています。専門医とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。
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グレリンと健康:さらなる研究への期待
グレリンは食欲だけでなく、成長ホルモンの分泌促進や心血管機能の調節など、様々な生理機能に関与していることが分かっています。グレリンの更なる研究が進むことで、胃がん治療だけでなく、他の疾患の治療にも役立つ可能性が期待されています。
この記事が、胃がん手術を控えている方や、胃の健康に関心のある方の参考になれば幸いです。