9日午前4時ごろ、大阪府東大阪市新町の路上で、覚せい剤取締法違反罪と大麻取締法違反罪で起訴され、大阪地検が収容した男が護送中の車から逃走した。大阪地裁岸和田支部の公判に3回出廷せず、7日に保釈が取り消されていた。右手に手錠をしたまま逃走している可能性がある。地検が経緯を調べるとともに行方を追っている。
男は大植(おおうえ)良太郎被告(42)。起訴時の住所は同府岸和田市で、職業は遊技機設置業だった。
捜査関係者らによると、内妻から大植被告の所在に関する通報があり、大阪府警河内署員が被告を同署に任意同行。検察事務官3人とともに、ワゴン車で同署から仮留置先となる同府警枚岡(ひらおか)署に護送中だった。
被告は車の3列シートの最後尾に乗っていたが、走行中に「手錠がきつい」と伝え、事務官が左手の手錠を外したところ、暴れ出した。ドアが半開き状態になったため、事務官が車を止めた際、2列目のドアから逃走した。女性事務官が運転し、2列目、3列目に男性事務官がいた。
大植被告は身長約171センチでやせ形、丸刈り。紺色のシャツに迷彩柄のズボン姿で、逃走時は裸足だったという。
地検では10月30日にも、地検岸和田支部(岸和田市)で保釈取り消し後に収容予定の女が逃走し、2日後に確保される事件があったばかり。地検は「収容のあり方を検討する」としていた。
東大阪市の逃走現場の近くに住む自営業の70代男性は「また検察のミス。この周辺には空き家もあり、潜伏できる。危ないので早く捕まえてほしい」と話した。
地検の上野暁(さとる)総務部長は「逃走は遺憾だ。警察と協力しながら被告人の身柄の確保に全力を尽くしている」とコメントした。