世界の自動車市場を席巻するEVシフト：2024年の躍進と今後の展望

2024年は、世界的にEV（電気自動車）シフトが減速しているという見方が一部で囁かれていました。しかし、実際のデータを見ると、EV市場は驚くべき成長を遂げています。この記事では、2024年のEV販売実績を詳細に分析し、今後の展望について考察します。

EV販売台数の急増：世界的な潮流

2024年12月の世界全体のBEV（バッテリー式電気自動車）とPHEV（プラグインハイブリッド車）の販売台数は、合計で193万台を超え、前年同月比で24%増加しました。新車販売全体に占めるBEVとPHEVの割合も、12月単体で過去最高の30%に達しました。2021年以降、この割合は15%、21%、20%と推移しており、EVシフトが加速していることは明らかです。

世界のBEV/PHEV販売台数

主要市場におけるBEVシェア率の動向

世界全体のBEVシェア率は、12月単体で過去最高の19%に到達しました。これは、世界で売れた新車の5台に1台がBEVであることを意味します。特に中国市場では30%、アメリカ市場では9%、タイ市場では15%と、各国でBEVシェア率が大きく上昇しています。一方、日本市場は2.16%と、世界平均に比べて大きく遅れをとっています。自動車評論家の山田太郎氏は、「日本は充電インフラの整備や政府の支援策において、他国に後れを取っている」と指摘しています。

年間ベースでのEVシフト：力強い成長

2024年通年の世界全体のNEV（BEV＋PHEV）シェア率は22%に達しました。これは、世界で売れた新車の5台に1台以上がBEVまたはPHEVであることを示しています。BEVシェア率も14%に達し、世界で売れた新車の7台に1台がBEVとなりました。2023年はBEV販売が踊り場を迎えていましたが、2024年は力強い成長を遂げています。「EVシフト減速」という表現は誤りで、むしろ成長軌道に回帰した1年と言えるでしょう。

主要3市場以外での躍進

欧州、米国、中国という主要3市場を除いたその他の市場では、NEV販売台数が前年比27%増加しました。世界全体のEVシフト動向は、どうしても主要市場の動向に左右されがちですが、その他の市場では、主要市場以上にEVシフトが進んでいたのです。

2025年以降の展望

2024年のEV市場の成長は、EVシフトが世界的な潮流であることを改めて示しました。中国系メーカーの新型車リリースも相次いでおり、今後の動向に注目が集まります。専門家の間では、充電インフラの整備、バッテリー技術の進化、そして政府の支援策などが、今後のEV市場の成長をさらに加速させる key factor になるとの見方が広がっています。