大阪府東大阪市の路上で、大阪地検が収容した男が護送中のワゴン車から逃げた事件で、男が逃走現場から東方面に走り去ったことが10日、地検への取材で分かった。地検などは10日も引き続き、男の行方を捜した。
男は同府岸和田市、遊技機設置業、大植(おおうえ)良太郎被告(42)=覚せい剤取締法違反罪と大麻取締法違反罪で公判中。大阪地裁岸和田支部(岸和田市)の判決公判に3回出廷せず、7日に保釈が取り消されていた。
逃走事件は9日午前4時ごろ発生。府警河内署員が被告を任意同行し、検察事務官3人とともに、ワゴン車で仮留置先となる府警枚岡(ひらおか)署に護送中だった。
被告は手錠、腰縄姿で車の3列シートの最後尾に乗車。走行中に「手錠がきつい」と訴え、事務官が左手の手錠を外し、かけ直す際に暴れた。ドアが半開き状態になり、運転していた女性事務官が車を停車。その後、2列目のドアから逃走を図った。事務官2人が車外から押し戻そうとし、車内の1人は腰縄を引っ張ったが逃げられた。この際、被告ともみ合いになった事務官2人が軽傷を負った。
地検によると男はその後、現場から東方面に走り去った。逃走時、腰縄をつけ、右手に手錠をしたままだったという。
地検では10月30日にも、岸和田支部(岸和田市)で保釈取り消し後に収容予定の女が車で逃走し、2日後に確保される事件があったばかり。
東大阪市での逃走を受け、地検の上野暁(さとる)総務部長は「大変重く受け止めている」とのコメントを出していた。