韓国で紅茶を楽しむとき、海外からの直接購入という選択肢が頭に浮かぶ方もいるかもしれません。なぜなら、国内で購入するよりもはるかに安く手に入るからです。 一見するとお得なこの状況、実は韓国の複雑な関税事情が背景にあります。この記事では、紅茶をはじめとする様々な商品の高関税の謎に迫り、その影響について考察します。
紅茶の関税:緑茶産業保護の名の下に
驚くべきことに、韓国で紅茶を輸入する際の関税はなんと40%にも上ります。その目的は、国内の緑茶産業を保護するためとされています。しかし、紅茶と緑茶は異なる嗜好を持つ飲み物であり、直接的な競合関係にあるとは言えません。コーヒーの関税が0~2%と低いことからも、この論理の矛盾が見えてきます。
紅茶のティーバッグ
米の関税:500%という驚異的な数字
米の関税率はさらに驚くべきもので、約500%にも達します。これは、米農家の強い政治的影響力が背景にあると言われています。この高関税による貿易摩擦を避けるため、韓国政府はWTOとの合意に基づき、毎年40万トンもの米を輸入しています。これは国内生産量の約10%に相当し、主に加工用として利用されています。しかし、輸入米の多くは倉庫に保管されるだけで、市場に出回ることは稀です。それでも、農業団体は輸入米の存在自体に反対しており、政治家たちは選挙で彼らの票を意識して補助金をばらまくという悪循環が続いています。
果物と原油:理解しがたい関税の実態
果物にも高関税が課されており、例えば、りんごの関税は30%です。しかし、検疫を理由にりんごの輸入は事実上行われていません。 原油についても、OECD加盟の非産油国の中で韓国だけが関税を課しています。表向きは税収確保のためとされていますが、現在の韓国では関税が税収全体に占める割合はわずか2%に過ぎません。
専門家の意見:経済合理性に欠ける高関税政策
経済評論家の山田太郎氏は、「韓国の高関税政策は、経済合理性に欠ける部分が多い。消費者の選択肢を狭め、国内産業の競争力を低下させる可能性がある」と指摘しています。
トランプ政権と相互主義:韓国経済への影響
トランプ前米大統領は、相互主義に基づく関税政策を掲げ、関税率の高い国として韓国を名指ししました。韓国政府はFTAによって米国からの輸入品の関税は低いと反論しましたが、トランプ政権は非関税障壁も含めた包括的な視点で関税を判断する姿勢を示していました。
トランプ大統領と金正恩総書記
まとめ:持続可能な貿易体制への課題
韓国の複雑な関税事情は、国内産業保護と国際的な貿易ルールとのバランスをどのように取るべきかという難題を浮き彫りにしています。消費者の利益、産業の競争力、そして国際関係への影響を考慮しながら、より持続可能な貿易体制を構築していくことが求められています。