日本の読者の皆様、韓国経済の現状をご存知でしょうか？好景気の裏で、深刻な問題を抱えている人々がいるのです。それは、自営業者の方々です。今回は、韓国の自営業を取り巻く厳しい現状と、その対策についてお伝えします。
韓国経済の弱点：苦境に立たされる自営業
韓国では、自営業者の割合がOECD加盟国の中で8番目に高く、主要国が10%を超えないのと対照的です。さらに、月収10万円にも満たない人が全体の75.7%にも上るという現状があります。 これは、十分な雇用機会の不足と社会保障の不備により、多くの人々が十分な準備もなく「生計型創業」に飛び込んでいることが原因です。
過酷な競争の中で、借金に頼らざるを得ないケースも少なくありません。自営業者への融資規模は1070兆ウォン（約110兆円）にものぼると推定されています。韓国経済の専門家であるパク・ミンチョル氏（仮名）は、「自営業の過剰な競争と低い収益性は、韓国経済の大きな課題です」と指摘しています。
衝撃的な数値：廃業の波と経済への影響
景気低迷と内需不振の影響を受け、この2ヶ月間で廃業した自営業者は20万人に達しています。2023年1月には自営業者数は550万人まで減少、通貨危機に見舞われた1997年よりも少ない数値となっています。廃業後に失業給付を受けた自営業者も、昨年は4年ぶりに2.3倍に増加しました。物価上昇と高金利も追い打ちをかけ、自営業を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。
韓国の商店街の様子
韓国開発研究院（KDI）は、「建設業の不振と輸出環境の悪化で景気下方リスクが拡大している」と警告を発しています。専門家のキム・ヨンジン氏（仮名）は、「現在の経済状況は、自営業者にとって非常に厳しいものと言えるでしょう。早急な対策が必要です」と警鐘を鳴らしています。
自営業の崩壊を防ぐために：必要な対策とは？
自営業者とその従業員を合わせると1000万人を超え、韓国経済の大きな部分を支えています。この基盤が崩れれば、経済全体が揺らぎかねません。廃業支援や職業訓練を通じた転職支援などの対策に加え、中長期的な雇用支援政策が不可欠です。良質な雇用を創出するための産業構造改革や規制・制度改革も必要です。内需回復のための補正予算も急務と言えるでしょう。
韓国の市場の様子
自営業の活性化は、韓国経済の未来を左右する重要な課題です。政治的な対立を超えて、実効性のある対策を講じる必要があります。「自営業が生きてこそ経済が生きる」という言葉は、決してスローガンに終わらせてはなりません。
まとめ：1000万人の未来のために
韓国の自営業者は、厳しい経済環境の中で奮闘しています。彼らを支えるためには、政府、企業、そして私たち一人ひとりの努力が必要です。持続可能な経済成長を実現するためにも、自営業への支援策を強化し、より良い未来を築いていく必要があるでしょう。
