自民党の細田博之憲法改正推進本部長は11日夜、戦力不保持の9条2項削除を訴える石破茂元幹事長の主張について「100パーセント、世界的に正しい理論だ。純粋理論的にかくあるべしという人の方が議論として強い」と述べた。
一方で、石破氏が異議を唱える9条を維持した上での自衛隊明記を念頭に「当面、憲法改正は(自衛隊を)違憲という学者や教科書の記述を避けるため体制を作る方向でいっている」と牽制(けんせい)した。東京都内で開かれた石破氏のパーティーで語った。
自民党が野党時代の平成24年に策定した党改憲草案は、戦力不保持をうたい交戦権を否認した9条2項を削除し、集団的自衛権の行使を容認。9条の2で日本の平和と独立、国民の安全確保のため国防軍を保持すると定めた。
一方、昨年の党大会で了承された党改憲4項目の条文素案は、9条について戦争放棄の1項とともに2項を維持して自衛隊を明記する考え方だ。
石破氏は「自衛隊は戦力で、そのまま明記すれば戦力不保持の9条2項と整合性がとれない」と反発している。