任期満了に伴う茨城県土浦市長選は10日投開票され、新人で元自民党県議の安藤真理子氏(58)が、5選を目指した現職の中川清氏(74)との一騎打ちを制し、初当選を果たした。主要与野党の支援を受けたベテラン現職が新人に敗れる波乱の展開。女性市長の誕生は土浦市政初で、現役首長としては県内でも唯一となる。
選挙戦は、市内の2つの自民党地域支部が中川氏と安藤氏をそれぞれ推薦し、保守分裂選挙の様相となった。中川氏に対しては、国民民主党と公明党土浦支部も推薦、立憲民主党県連は支持という対応をとった。
中川氏がより多くの政党の支援を取りつけたのは、4期16年を務めた「現職の強み」にほかならない。
とはいえ、中川氏は、過去4回の当選のうち2回は無投票だった。今回と同じ新人候補との一騎打ちとなった4年前の改選では、中川氏が2万1129票で勝利したのに対し、対抗馬もその半数を超える1万1110票を獲得した。
多選などに対する一定数の批判票があったことに加え、今回の市長選では、土浦市選挙区で県議2回の当選経験を持つ安藤氏が対抗馬として立ち、中川氏は劣勢に陥った。投票率が37・35%(前回28・42%)にはね上がったことも、市政刷新を訴えた安藤氏に有利に働いたようだ。
安藤氏は10日夜、支持者らを前に「これから土浦は変わる。夢のある元気な土浦にしていこう」と喜びを語った。
(篠崎理)