大切な人が亡くなった後、悲しみに暮れる間もなく、山積みの手続きに追われることになります。放置すると多額の追徴課税が発生する可能性も… この記事では、相続手続きの中でも特に重要な確定申告について、相続専門税理士の視点から分かりやすく解説します。相続税対策の第一歩として、ぜひご一読ください。
意外と知らない?相続と確定申告の重要性
国税庁の調査によると、税務調査を受けた相続案件の85%以上で申告ミスが見つかり、1件あたり平均641万円もの追徴課税が発生しています。「知らなかった」「不慣れだった」では済まされないのが税金の世界。相続にまつわる確定申告は、想像以上に複雑で、専門知識が必要です。
相続税申告のイメージ
故人の確定申告:誰が?いつまで?
故人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、確定申告を行う必要があります。これは「準確定申告」と呼ばれ、相続人が行います。提出期限は原則として、相続開始日から4ヶ月以内です。例えば、4月15日に亡くなった場合、8月15日が期限となります。
相続税の申告:基礎控除額以内でも要注意!
相続税は、相続財産の総額から基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いた金額に対して課税されます。基礎控除額以下であれば相続税はかかりませんが、相続税の申告が必要ないわけではありません。
事業承継:青色申告で節税メリットを最大限に!
故人から事業(不動産賃貸業を含む)を相続する場合、「青色申告承認申請書」の提出がおすすめです。青色申告には、最大65万円の控除など、様々な税制優遇措置があります。
青色申告承認申請書の提出期限と注意点
青色申告承認申請書の提出期限は、故人が生前に青色申告をしていたかどうかで異なります。
故人が青色申告をしていた場合
- 1月1日〜8月31日に相続開始:相続開始から4ヶ月以内
- 9月1日〜10月31日に相続開始:その年の12月31日まで
- 11月1日〜12月31日に相続開始:翌年2月15日まで
故人が青色申告をしていなかった場合
- 1月1日〜1月15日に相続開始:3月15日
- 上記以外:相続開始から2ヶ月以内
期限を過ぎてしまった場合でも、翌年3月15日までに提出すれば、翌年分から青色申告の特典を受けられます。
相続手続きは専門家への相談が安心
相続手続きは複雑で、専門知識が必要です。税理士に相談することで、税務上のリスクを回避し、節税対策も検討できます。例えば、相続財産に不動産が含まれる場合は、評価額の算定方法によって相続税額が大きく変わる可能性があります。
まとめ:円滑な相続のために早めの準備を
相続は誰にでも起こりうるライフイベントです。早めの準備と専門家への相談で、円滑な相続を実現しましょう。
(参考) 相続税法
(専門家コメント) さくら税理士事務所の桜井税理士は、「相続発生後の手続きは期限が厳しく、複雑な手続きも多いです。専門家に相談することで、手続きの負担を軽減し、適切な相続税対策を行うことができます」と述べています。