池袋暴走、88歳元院長を書類送検 「厳重処分」の意見付ける





東京都豊島区南池袋で起きた事故で、現場検証する捜査員ら=東京都豊島区(佐藤徳昭撮影)

 東京・池袋で4月に暴走した乗用車に母子がはねられ死亡した事故で、警視庁交通捜査課は12日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)を書類送検した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたという。認否は明らかにしていない。

 同課によると、飯塚元院長は当初、「ブレーキをかけたが利かなかった。アクセルが戻らなかった」などと説明。しかし車の機能検査で異常は確認されず、その後、「ブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性もある」と供述を変えていた。こうした状況に加え、ドライブレコーダーの記録などを解析した結果、同課は飯塚元院長が最初に接触事故を起こした後、ブレーキをかけずにアクセルを踏んだ操作ミスが事故原因と結論付けた。

 書類送検容疑は4月19日昼、東京都豊島区東池袋の都道で乗用車を運転中、3カ所の横断歩道などで、自転車に乗った近所の松永真菜さん=当時(31)=と長女の莉子ちゃん=同(3)=をはねて死亡させたほか、男女8人と同乗の妻に重軽傷を負わせたとしている。縁石に接触したり、赤信号を無視したりしながら約150メートルにわたって暴走し、時速約50キロから90キロ台後半まで加速していたという。

 事故では飯塚元院長も胸を骨折するなどして入院。退院後も目白署に出頭して聴取に応じていたことなどから、同課は逮捕要件に当たる逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断し、任意のまま捜査を進めてきた。

 松永さんの遺族は9月、飯塚元院長について、できるだけ重い罪名での起訴と厳罰を求める約39万人分の署名を東京地検に提出している。



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