新生活のスタート、ゴールデンウィークの楽しい時間も終わり、会社や学校が始まると、なんとなく体調が優れない、やる気が出ない…。そんな五月病に悩まされている方もいるのではないでしょうか。五月病は、単なる怠け心ではなく、新しい環境への適応がうまくいかず、心身に不調が現れる「適応障害」の一種です。この記事では、産業医として活躍する薮野淳也氏の著書『産業医が教える 会社の休み方』(中央公論新社)を参考に、五月病の実態と具体的な対策方法について解説します。
五月病は甘え?実は100人に1人が経験する適応障害
五月病は「甘え」と捉えられがちですが、実際には多くの人が経験する深刻な問題です。厚生労働省の「令和5年労働安全衛生調査」によると、企業の1割以上で、過去1年間にメンタル不調による1ヶ月以上の休職または退職者がいたと報告されています。全労働者のうち、メンタル不調で1ヶ月以上休職した人の割合は0.6%、退職した人の割合は0.2%。合わせると0.8%、つまり125人に1人が経験している計算になります。
オフィスで働く人
職場におけるメンタルヘルス問題の実態
企業規模別に見ると、従業員数が多い企業ほど、メンタル不調による休職・退職者が多い傾向があります。500人以上の企業では、実に9割近くの事業所でメンタル不調による休職・退職者が発生しています。これらの数字は、職場におけるメンタルヘルス問題の深刻さを物語っています。
適応障害の原因:人間関係のストレス
メンタル不調の多くは、人間関係のストレスから引き起こされます。上司との関係、同僚とのコミュニケーション、顧客対応など、職場には様々なストレス要因が存在します。新しい環境では、特に人間関係の構築に苦労し、ストレスを感じやすい傾向があります。「職場の人間関係に馴染めない」「仕事の内容が自分に合わない」など、様々な要因が重なり、適応障害を引き起こす可能性があります。
専門家の見解:精神科医 佐藤先生(仮名)
精神科医の佐藤先生(仮名)は、「新しい環境への適応は誰にとっても容易ではありません。特に、人間関係の変化は大きなストレスとなる可能性があります。自分のペースで環境に慣れていくことが大切です」と述べています。
五月病を乗り越えるための具体的な対策
五月病を乗り越えるためには、まず自分の状態を客観的に把握し、適切な対処法を見つけることが重要です。以下に具体的な対策をいくつか紹介します。
1. 生活リズムを整える
規則正しい生活リズムを維持することは、心身の健康を保つ上で非常に重要です。睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。
2. 趣味やリラックスできる時間を持つ
仕事や勉強以外の時間に、趣味や好きなことに没頭することで、ストレスを発散することができます。リラックスできる時間を持つことで、心身のバランスを整えることができます。
3. 周囲に相談する
一人で抱え込まず、家族や友人、同僚、上司、または専門機関に相談することも有効な手段です。信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
まとめ:五月病を乗り越えて、充実した毎日を送ろう
五月病は、決して甘えではありません。新しい環境への適応に時間がかかるのは当然のことです。この記事で紹介した対策方法を参考に、自分自身に合った方法を見つけ、五月病を乗り越えて、充実した毎日を送れるようにしましょう。ぜひ、ご自身の経験や対策方法をコメント欄で共有してください。また、他の役立つ情報もjp24h.comで発信していますので、ぜひご覧ください。