【台風19号】最大雨量の箱根、深い爪痕 紅葉シーズン迎え、回復に期待



箱根登山鉄道の小涌谷駅近くの線路で行われていた復旧工事=12日午後、神奈川県箱根町(古厩正樹撮影)
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 台風19号による大雨で観測史上最多の雨量を記録した日本有数の温泉観光地、神奈川県箱根町。土砂崩れにより鉄道や温泉施設が打撃を受け、1カ月たった今も深い爪痕が残る。5月の噴火警戒レベル引き上げに続く「天災」に観光業への影響が懸念される中、本格的な紅葉シーズンを迎え、関係者は客足の回復に期待を寄せている。(大渡美咲)

 温泉テーマパークや四季折々の花が楽しめる庭園などがあり、観光客に人気がある小涌谷(こわくだに)地区。道路脇には土嚢(どのう)が積まれ、歩道は落石などの影響で、ひび割れや剥がれが目立つ。箱根駅伝で有名な箱根登山鉄道小涌谷(こわきだに)駅付近も土砂が線路に流れ込んだため、今も立ち入りが制限されている。

 「台風の日は石が落ちてくるゴロゴロという音が鳴り響き、雷のようだった」。箱根町のタクシー運転手の男性はそう振り返る。

 温泉施設では土砂崩れなどで配管が損傷、流失するなどし、温泉が供給できなくなるところが相次いだ。箱根町によると、11日時点で全宿泊施設の2割強に当たる57軒の旅館やホテルで、今も温泉が供給できない状態が続いている。

 ススキの名所として知られる「仙石原ススキ草原」に通じる国道138号は土砂崩れや倒木で一部通行止めになり、狭い迂回(うかい)路を使わなければならない。町の大動脈、箱根登山鉄道も箱根湯本-強羅(ごうら)間が不通となっており、再開までは相当時間がかかるという。

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