池袋ガールズバー管理売春事件:21歳マネージャー逮捕、劣悪な環境で「洗脳」された被害女性の実態

今年7月、売春防止法違反(客待ち)で現行犯逮捕され起訴猶予処分となった27歳の女性への取り調べにより、衝撃的な事実が明らかになった。彼女が勤務していた池袋のガールズバーの店長・鈴木麻央耶容疑者(39)とマネージャー・田野和彩容疑者(21)が、女性に組織的な売春を強要していたことが判明。警視庁保安課は、この二人を同容疑(管理売春)で逮捕した。被害女性は、わずか3ヶ月の間に約400人もの客の相手をさせられていたという。この事件は、夜の業界に潜む深刻な人権侵害と、精神的な支配の実態を浮き彫りにしている。

鈴木容疑者らは、キャストの容姿や集客力によって報酬が決まる完全歩合制の「実力主義スタイル」を導入しており、従業員間で待遇に大きな差をつけていた。このような過酷な環境下で、被害女性は容疑者二人のいじめの対象となり、心身ともに追い詰められていった。

池袋ガールズバー管理売春事件で逮捕されたマネージャー田野和彩容疑者(21歳)池袋ガールズバー管理売春事件で逮捕されたマネージャー田野和彩容疑者(21歳)

容姿罵倒と劣悪な居住環境:被害女性が陥った「洗脳」の実態

被害女性は警察に対し、「逃げるという発想すら無かった」と涙ながらに訴えた。元同僚の証言によれば、昨年の時点で既に「洗脳」に近い精神状態に陥っていたという。大手紙記者の解説によると、被害女性は昨秋、鈴木容疑者が運営するバーに入店したが、当初は問題なく働いていた。しかし、売り上げが伸び悩むにつれて容姿に関する執拗な罵声を浴びせられるようになり、さらに住んでいた部屋まで解約させられたという。結果的に、女性は店のわずか1畳ほどのバックヤードで生活せざるを得なくなり、容疑者らの管理下から逃れられない状況に追い込まれていった。

近隣飲食店のオーナーは被害女性について、「素朴でおとなしく、『夜には向かなさそうな子』だった」と語る。そのような女性がなぜ鈴木容疑者のバーに辿り着き、「立ちんぼ」と揶揄されるような状況にまで追い詰められたのか。昨年の半年間、同じバーで働いていた元同僚が当時の状況を振り返る。

「夜職は初めて」ネットカフェ生活から過酷な労働へ

元同僚は、「確かにガールズバーで働いているようなタイプの子ではなかった。おとなしい感じで、他のキャストに比べて少し年上だったため、やや浮いている印象だった。『夜職は初めて』だと言っていた記憶がある」と証言する。彼女はとにかく金銭的に困窮しており、そのバーで働くことになったようだった。当時、住む家があったのかどうかは定かではないが、入店当初はネットカフェで過ごしていたという。そのネットカフェから最も早く出勤し、まず掃除をさせられ、帰りも片付けをしてから同じ場所に戻っていた。

「実力至上主義」を掲げていた鈴木容疑者は、被害女性に対して過剰なまでに厳しい態度をとるようになった。鈴木容疑者の右腕であった田野容疑者もこれに同調し、女性に対し心ない言葉を浴びせたり、雑用を押しつけたりした。「いつも『ブスだし客もとれないんだから、みんなの役に立つようなことしなよ』などと言われ、大抵は他の女の子のヘルプにつき、度数の強い、飲みたがらないお酒を“処理”する役回りだった」と元同僚は語る。

バックヤードで寝泊まりしている被害女性の姿を元同僚は何度も目撃している。その広さは約1畳ほどで、椅子を並べても大人がかろうじて寝られるかどうかの狭さだったという。「本人にも事情があったのかもしれませんが、とても人が暮らせるところじゃない」と、元同僚は劣悪な環境を指摘した。完全歩合制であったため、金銭面でも被害女性は非常に厳しい待遇を強いられていた。

まとめ

本件は、池袋のガールズバーで起きた管理売春事件であり、鈴木麻央耶容疑者と田野和彩容疑者が27歳の女性に対し、容姿罵倒、劣悪な環境での生活強要、そして精神的な「洗脳」を通じて売春を組織的に行わせていた実態を浮き彫りにした。被害女性が直面した過酷な状況は、夜の業界における人権侵害の深刻さを示しており、類似の被害に苦しむ人々への社会的な支援と、このような悪質な管理売春を根絶するための法的な対応の強化が求められる。

参考文献