EU(欧州連合)の外交安全保障政策を担うカラス上級代表は、jp24h.comの独占インタビューに応じ、トランプ前米大統領時代の関税政策について強い懸念を示しました。同盟国間の貿易摩擦は ultimately 中国を利するだけだと警告し、国際協調の重要性を訴えました。
米関税政策への懸念
カラス上級代表は、トランプ前政権がEUの鉄鋼・アルミニウム製品に追加関税を課したことについて、「パートナー同士の貿易戦争は、最終的に中国の利益につながる」と強い懸念を示しました。民主主義国家間の報復合戦は経済の疲弊を招き、国際秩序の安定を損なうと指摘。G7外相会合でも米国に自制を求めたことを明らかにしました。
EUカラス上級代表インタビューの様子
EUの立場と対応
カラス上級代表は、EUは自由貿易を支持する立場であり、保護主義的な政策には断固として反対する姿勢を示しました。「米国が追加関税を課すならば、EUの利益を守るために必要な措置を取る準備はできている」と述べ、報復措置も辞さない構えを示しました。しかし、過去の歴史を振り返れば、貿易戦争は世界経済に深刻な打撃を与えてきたことを忘れてはならないと強調。報復関税は望ましい解決策ではなく、国際的なルールに基づいた対話と協調こそが重要だと訴えました。
ロシアへの不信感
カラス上級代表は、ロシアについても厳しい見方を示しました。ウクライナ侵攻をはじめとするロシアの行動は、国際法や国際的な合意を無視するものであり、「信用できない」と断じました。過去に締結された数々の合意を破ってきたロシアに対しては、合意順守を担保する仕組みの構築が不可欠だと指摘。ウクライナの安全保障についても、欧米諸国が積極的に関与していく必要性を訴えました。
国際協調の重要性
カラス上級代表は、世界的な課題に対処するためには、民主主義国家間の連携強化が不可欠だと強調しました。貿易問題や安全保障問題など、複雑化する国際情勢においては、多国間主義に基づいた協調こそが解決の鍵となるとの認識を示しました。 今後の国際社会におけるEUの役割についても言及し、国際協調の促進に積極的に貢献していく決意を表明しました。