立憲民主、国民民主、共産各党などが12日、首相主催の「桜を見る会」の追及チームを始動させた。税金を投入した会が安倍晋三首相や自民党議員に私物化された疑惑があるとして後半国会最大の焦点と位置づけるが、会は旧民主党政権でも行われ同党議員の後援会幹部も招待されたとの証言がある。旧民主の流れをくむ現在の野党も「返り血」を浴びかねないが、政権打倒に向け「ブーメラン」覚悟で追及する構えだ。(中村智隆)
「首相が公金で公的行事を私物化したのかについて事実を解明していく」
立民の黒岩宇洋衆院議員が12日、追及チームの初会合でこう述べると、共産の田村智子参院議員も「私たちの税金で何をやってくれたんだという国民の怒りがある」と歩調を合わせた。
会の問題は、田村氏が8日の参院予算委員会で大きく取り上げた。平成26~31年の会の予算額が毎年1766万円だったのに対し、支出額は26年の3005万円から31年は5518万円に急増したと指摘した。政府は来春の開催に向け約5700万円を要求。テロ対策の強化などを理由に挙げている。
田村氏は、都内のホテルで地元・山口県の後援会員らが首相夫妻を囲む盛大な「前夜祭」が行われ、「後援会活動そのもの」とも指弾した。立民の安住淳国対委員長は12日、「山口県から今年だけで800人を超える後援会の会員が来ている」と明言した。
立民の枝野幸男代表も素早く反応した。田村氏の質問についてツイッターに「党派を超えて、数年に一度の素晴らしい質疑だった」と投稿。12日の党会合では「説明責任から逃げ回ってきている首相が逃げようと思えば、遠からず『桜疑惑解散』に打って出る。備えを強化していかなければならない」と語った。