路上に遺体、おびえる市民 未明の空爆、イスラエルに怒り ガザ


 負傷者を搬送する救急車のサイレンが響き渡り、毛布や白い布に包まれた多数の遺体が路上に並べられた。「ネタニヤフ(イスラエル首相)が停戦合意を守らず、再び攻撃すると思っていた」。おびえる一夜を過ごしたガザ市民は一様に、イスラエルへの怒りをあらわにした。

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 時事通信の電話取材に応じたガザ中部デイルバラに住むイブラヒム・アリさん(13)は、就寝中の爆音で目が覚めた。戦闘機のごう音が恐ろしく、両親や姉と暮らす家から出られなかったという。幸い自宅は被弾しなかったが、父親の友人らが空爆で犠牲になり、せっかく再開した学校も授業中止に。「戦争前のように怖がらず過ごしたい」と声を震わせた。

 避難民が集まる「人道地区」に指定されているガザ南部マワシでも、夜中に空爆音がとどろいた。マワシに逃れて来たアブ・サイドさん(34)は、電話取材に「どこに走って逃げたら良いのか」と憤る。あまりの避難民の多さに「誰が死んだか、けがをしたかも分からない」状態。「戦争も破壊も、もううんざりだ。ネタニヤフは信用できない。世界各国が早く戦争を止めてほしい」と訴えた。

 ガザには今も、イスラエルから拉致された約60人の人質が残されている。人質の家族らでつくる団体は、18日の声明で「イスラエル政府は人質を諦める決定を下した。愛する人々を帰還させるプロセスを意図的に壊したことに、衝撃と怒りを覚える」と空爆再開を批判した。 



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