不倫発覚、絶望からの親権獲得:日本の男性が娘と歩む新たな道

妻の不倫が発覚し、離婚という人生の転機を迎えたサレマクリ夫さん(仮名)。彼が最も強く願ったのは、12歳になる愛娘の親権を自らが手にすることだった。日本では「男性が親権を獲得するのは難しい」と認識される中、彼はなぜその困難な道を選び、何が彼を突き動かしたのか。過去の苦い経験と、娘への深い愛情がその背景にあった。このニュースは、男性が親権を争う上での現実と可能性を示す重要な事例となるだろう。

不倫発覚後、娘の親権獲得に奮闘した男性が娘と手を取り合う様子。親権争いの困難な道のりを象徴する一枚。不倫発覚後、娘の親権獲得に奮闘した男性が娘と手を取り合う様子。親権争いの困難な道のりを象徴する一枚。

最初の弁護士の拒絶:男性が直面する親権獲得の壁

妻の不倫発覚後、12歳の娘の親権を強く望んだサレマクリ夫さん(仮名)は、まず弁護士事務所を訪れた。「妻が不倫しているから親権を取りたい」という彼の訴えは、最初の弁護士に門前払いされた。「その相談には乗れません」という言葉は、男性が親権を獲得することの難しさを改めて突きつけるものだった。インターネット上でも「男性の親権獲得は困難」という情報が多く、彼の不安は募るばかりだった。

信頼できる弁護士との出会い:希望を見出した親権争いの行方

最初の挫折を経験したサレマクリ夫さんだが、諦めずに2人目の弁護士と出会う。この弁護士の「親権が取れます」「一緒に戦いましょう」という言葉は、彼に大きな希望を与えた。この力強い支援は、彼が娘の親権獲得へ向けた厳しい戦いに挑むことを決意させる転機となった。信頼できる専門家との出会いが、彼の親権争いの行方を大きく変えることになったのだ。

「母性優先」だけではない:養育実績と子の意思が鍵となる親権争い

男性が親権を獲得することの実際の難しさについて、離婚問題に詳しい玉真聡志弁護士は、「母性優先の原則がよく言われますが、結局は養育実績、子どもとどれだけ深く関わってきたかが重視される」と解説する。サレマクリ夫さんの場合、妻が海外旅行や仕事で不在がちだったため、彼自身が「一般的な家庭の『ママ』の役割をすべて担っていました」。この養育実績は、玉真弁護士からも「すごく強い」と高く評価された。幼い子どもの親権では母親が優先されがちだが、主要な養育者であった事実が決定的な要素となったのだ。

さらに、親権獲得の決め手となったのは、12歳になる娘自身の明確な意思だった。離婚届を提出する前夜、サレマクリ夫さんは「自分についてきてほしい」と娘に語りかけた。彼は「100%の自信はなく、『ママについていきたい』と言われたらどうしようという恐怖があった」と当時の心境を明かす。しかし、娘は迷うことなく父親を選び、これが親権獲得の決定打となった。玉真弁護士によると、「12歳くらいであれば、子どもの意思が重視される」とされ、子どもの意思が尊重される目安は9歳から10歳あたりだという。元妻も娘の意思を尊重し、親権争いを避ける形で離婚が成立した。

結論

サレマクリ夫さんの事例は、「男性の親権獲得は難しい」という一般的な認識に一石を投じるものだ。最初の弁護士には門前払いされながらも、彼は諦めず、信頼できる弁護士のサポート、自身の長年の養育実績、そして何よりも娘の強い意思によって親権を獲得した。このケースは、親権争いにおいて性別が全てではなく、実際の養育状況や子の意思が重視されるという重要な教訓を示す。日本の離婚問題における親権のあり方を考える上で、多くの父親たちに希望と具体的な指針を与えるだろう。

参考文献