ガザ地区への空爆、210人以上が犠牲に 緊迫続くイスラエルとハマスの対立

イスラエル軍によるガザ地区への空爆で、多数の死者が出ているという痛ましいニュースが飛び込んできました。パレスチナ自治区ガザ地区の保健省発表によると、18日未明に行われた空爆により、少なくとも210人が死亡、数百人が負傷したとのことです。イスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦合意が崩壊し、ガザ地区の緊張は再び高まっています。

繰り返される悲劇、ガザ地区で何が?

イスラエルとハマスの停戦交渉は数週間にも及びましたが、合意に至らず、今回の空爆へと発展しました。ガザ北部、中部、南部と広範囲にわたる空爆が行われ、各地の病院から死傷者の報告が相次いでいます。ガザの民間防衛隊は、多くの市民が爆撃された家のがれきの下に閉じ込められており、犠牲者の中には子どもも含まれていると訴えています。

ガザ地区で破壊された建物の様子ガザ地区で破壊された建物の様子

イスラエル軍は、ガザ地区にあるハマスの拠点を標的に大規模な攻撃を行っていると発表。カッツ国防相は「今夜、我々はガザでの戦闘に戻った」と宣言し、ネタニヤフ首相はハマスに対して「軍事力の増強」を約束しました。両氏とも、ハマスが停戦合意の延長を拒否したと主張しています。

国際社会の反応と今後の展望

米国ホワイトハウスのレビット報道官は、今回の攻撃に先立ち、イスラエルから実施について知らされていたと明かしています。国際社会の反応が注目される中、ガザ地区の住民は更なる苦難に直面しています。イスラエルはすでにガザへの電力を遮断し、人道支援を阻止しているため、状況はさらに悪化する可能性があります。

停戦合意崩壊の背景

今回の停戦合意崩壊は、3段階で行われる予定だった停戦プロセスにおける第2段階への移行をめぐる意見の相違が原因とされています。ハマスは、イスラエル軍のガザからの完全撤退と、ハマスに拘束されている生存者全員の解放を求めていましたが、イスラエル側は戦闘の終結や軍の撤退を約束せず、第1段階の延長を主張していました。

ガザ地区の現状を伝えるCNNの映像ガザ地区の現状を伝えるCNNの映像

ハマスはネタニヤフ首相とイスラエル政権が停戦合意を一方的に破棄したと非難し、ハマス指導者の一人は、空爆は人質に対する「死刑宣告」だと警告しました。イスラエル当局者は、攻撃は「必要な限り続け、空爆にとどまらず拡大する」と述べ、国連大使は、人質がガザに残っている間は「容赦しない」と強硬な姿勢を示しています。中東和平の行方は依然として不透明であり、今後の動向が懸念されます。

人道危機の深刻化

イスラエルによる電力遮断と人道支援の阻止により、ガザ地区では食料や医薬品、燃料などの不足が深刻化しています。国際社会からの支援が不可欠ですが、政治的な対立が影を落とし、支援活動は難航しているのが現状です。一刻も早い停戦と人道支援の実現が求められています。