50代からの賢い人間関係:信頼と信用、その微妙な境界線

50代になると、これまで築き上げてきた人間関係を見つめ直す機会が増えます。良好な人間関係は人生の大きな支えとなりますが、時に悩みの種となることも。今回は、精神科医Tomy氏の著書『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)を参考に、50代からの人間関係における「信頼」と「信用」について考えてみましょう。

信用しすぎるとどうなる?

誰しも「この人なら大丈夫」と思える人に出会いたいと願うもの。しかし、Tomy氏曰く、「全面的に信用できる人」は存在しない、という厳しい現実を認識する必要があります。 人は常に変化する生き物であり、立場や利益、感情も移ろいやすいもの。それを理解せず、無条件に相手を信用してしまうと、大きなリスクを背負うことになりかねません。

alt: 捕食動物に狙われるニワトリのイラスト。無防備さを表現alt: 捕食動物に狙われるニワトリのイラスト。無防備さを表現

例えば、無防備なニワトリが地面に寝そべっていたら、捕食動物に狙われてしまうように、過度な信用は相手に付け入る隙を与えてしまう可能性があります。

相手の心理的負担と試す気持ち

また、「全面的に信用されている」という状況は、相手に無意識のうちに心理的負担を与えることも。プレッシャーを感じたり、逆に「試してみよう」という気持ちが芽生えてしまう可能性も否定できません。

信頼関係の築き方:適切な距離感と自己責任

では、誰も信用してはいけないのでしょうか? 答えはNOです。Tomy氏は「信用しない」のではなく、「適切な距離感を保ちながら信頼関係を築く」ことが重要だと説きます。

健全な人間関係の鍵

本当に信頼される人は、「全面的に信用することはできない」ということを理解している人。相手を見極め、自分の責任で行動できる人が、結果的に周囲から信頼されるのです。

自分のオールは自分で握る

中島みゆきさんの歌にもあるように、「自分のオールは自分で握る」という姿勢が大切です。他人に人生を委ねるのではなく、最終的な判断は自分で行う。これが、50代からの健全な人間関係を築く上での基本と言えるでしょう。

50代からの豊かな人間関係のために

50代は、人生の後半戦をより豊かに過ごすための準備期間でもあります。人間関係においても、信頼と信用を見極め、自分自身で舵取りしていくことが重要です。相手を尊重しつつ、自分の軸をしっかり持ち、良好な人間関係を築いていきましょう。

精神科医Tomy氏の提言

Tomy氏は、著書の中で「50代は人生の転換期であり、新たな人間関係を築くチャンスでもある」と述べています。(『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』ダイヤモンド社より) 50代からのより良い人間関係構築のために、ぜひ参考にしてみてください。