SNSで高級車や時計を自慢し、「スーパーサラリーマン清水」を自称していた清水謙行容疑者(49)が、建設業法違反の疑いで逮捕されました。派手な生活の裏で、悪質リフォームを繰り返していた実態とは?本記事では、その手口や逮捕に至るまでの経緯、そして増加する悪質リフォーム被害の実態について詳しく解説します。
スーパーサラリーマンの仮面を被った悪質リフォーム業者
清水容疑者は、複数のリフォーム会社を束ねた「清水会」という組織を率い、多い時には150人もの従業員を抱えていました。SNSでは高級マンションでの暮らしぶりや高級車、高級時計を誇示し、華やかな生活をアピール。まるで成功者のようなイメージを演出していました。しかし、その裏では「悪質リフォーム界のカリスマ」と呼ばれ、5年間で約100億円もの売り上げを不正に得ていたとみられています。
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巧妙な手口と組織的な犯行
清水容疑者らは、無許可で高額な屋根工事や外壁塗装工事を請け負っていました。建設業法では、500万円以上の工事には国や都道府県の許可が必要ですが、これを無視していたのです。従業員は「アポインター」と「クローザー」に役割分担し、「屋根の瓦がずれている」などと言って不安をあおり、不必要な工事を契約させていました。
巧妙な勧誘方法と悪質な営業トーク
近隣住民への聞き込みによると、従業員は20~30代が多く、派手な身なりをしていたとのこと。朝礼の声も大きく、近隣住民からは迷惑がられていたという証言もあります。また、匿名を条件に取材に応じた貸しビルの関係者は、清水容疑者の会社が以前入居していた際、ゴミ問題や駐車違反などでトラブルが頻発していたことを明かしました。
2年間の内偵捜査と突然の解散宣言
実は今回の逮捕に至るまで、警察は少なくとも2年間もの内偵捜査を行っていました。清水容疑者自身も捜査の手が迫っていることを察知していたようで、2024年2月に突然会社を解散。その3カ月後、関係先への家宅捜索が行われました。
増加する悪質リフォーム被害と対策
悪質リフォーム業者による被害は全国的に増加しており、2024年の摘発件数は過去最多の66件を記録。消費者被害に詳しい岡田崇弁護士は、典型的な手口として「近所で工事しているついでに屋根を見せてほしい」と言って不安をあおり、契約を迫るケースが多いと指摘しています。中には、わざと屋根や外壁に傷をつけたり、嘘の写真を見せたりする悪質な業者もいるそうです。
専門家の見解:元暴力団との関係は?
元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏は、2年前に清水容疑者と面会した経験があると語っています。当時、清水容疑者は元暴力団であることを明かし、現在は足を洗ってリフォーム業を営んでいると説明していたそうです。しかし、暴力団対策課が今回の逮捕を主導していることから、秋山氏は「いまだに暴力団と関係があるか、もしくは匿名・流動型犯罪グループの可能性がある」と推測しています。
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まとめ:悪質リフォームから身を守るために
今回の事件は、巧妙な手口で高額なリフォーム工事を契約させられる悪質リフォーム被害の深刻さを改めて浮き彫りにしました。被害を防ぐためには、複数の業者から見積もりを取り、契約内容をしっかり確認することが重要です。少しでも不審な点があれば、消費生活センターなどに相談しましょう。