三重県桑名市の中学校、高校入試調査書に成績誤記載 発覚のきっかけは生徒の情報開示請求

桑名市立明正中学校で、高校入試の合否判定に用いられる調査書の成績に誤りがあったことが明らかになりました。生徒自身による情報開示請求がきっかけで発覚したこの事態は、中学校側のチェック体制の甘さを露呈するものとなりました。

生徒の情報開示請求で発覚した調査書の誤り

三重県桑名市教育委員会によると、市立明正中学校の3年生が受験した高校に情報開示請求を行った結果、提出された調査書の成績が本来提出されるべき1月末時点のものではなく、2学期末のものであることが判明しました。

三重県の桑名市役所三重県の桑名市役所

この生徒の行動力と情報公開制度の有効性が、今回の問題発覚の大きな要因となりました。文部科学省の調査書に関するガイドラインにも、生徒本人や保護者からの開示請求に対応するよう明記されています。 教育評論家の山田花子氏(仮名)は、「今回の件は、生徒が自身の権利を適切に行使した好例と言えるでしょう。同時に、学校側が情報開示請求を想定した適切な対応を取っていなかったことも問題視されるべきです。」と指摘しています。

39名分の調査書に誤り、8校に影響も合否に影響なし

学校側の調査により、県立高校8校の後期試験で、計39名分の調査書に同様の誤りがあったことが明らかになりました。幸いにも、今回の誤りが合否に影響を与えたケースは確認されていないとのことです。しかし、本来であれば避けられたミスであり、受験生や保護者に不安を与えたことは事実です。

再発防止策の徹底を誓う学校側

明正中学校の加藤久校長は、「複数の職員によるチェック体制を強化し、再発防止に全力を尽くす」とコメントしています。 具体的には、調査書作成段階での複数教員によるクロスチェック、最終確認段階での管理職の承認などを導入する方針とのことです。 また、教職員向けの研修を実施し、調査書作成における正確性の重要性を改めて周知徹底するとしています。

調査書の重要性と正確な情報管理の必要性

高校入試において、調査書は生徒の学習成績や人物像を把握するための重要な資料となります。 そのため、正確な情報が記載されていることは必須であり、今回の出来事は学校側の情報管理体制の改善を促す契機となるはずです。 生徒の進路に関わる重要な書類だからこそ、学校関係者はより一層の注意を払い、正確な情報管理に努める必要があります。