若者の半数以上「子ども育てたくない」… 働き方改革こそ少子化対策の鍵となるか?

少子化が加速する日本。子育てへの不安を抱える若者の現状が、改めて浮き彫りとなりました。日本大学の末冨芳教授らの研究グループが実施した調査によると、15歳から39歳までの若者の半数以上が「子どもは育てたくない」と回答。その背景には、経済的な不安やワークライフバランスの課題が大きく影響しているようです。本記事では、この調査結果を詳しく解説し、少子化対策の未来について考えていきます。

経済的不安とワークライフバランスのジレンマ

若者の少子化意識調査結果若者の少子化意識調査結果

末冨教授らの調査は、全国の15歳から39歳までの男女約4000人を対象にオンラインで行われました。その結果、「子どもはおらず、子どもは育てたくない」と回答した人が52.0%に達しました。特に、年収299万円未満、または世帯年収399万円未満の層では、その割合が約6割に上るという深刻な結果となっています。

子育てには、教育費や生活費など、多大な費用がかかります。経済的な不安を抱える若者にとって、子どもを持つことは大きな負担となるのでしょう。生活の基盤が安定しない状況で、将来への希望を持つことは難しいのかもしれません。

さらに、長時間労働や不規則な勤務体系など、ワークライフバランスの課題も子育てへのハードルを高めている要因の一つと考えられます。仕事と子育ての両立に不安を感じ、子どもを持つことを諦めてしまう若者も少なくないでしょう。

少子化対策の焦点は「働き方改革」に?

では、若者が安心して子どもを育てられる社会を実現するためには、どのような対策が必要なのでしょうか。同調査では、必要な少子化対策についても質問しています。

最も多くの支持を集めたのは「ワークライフバランスの改善」(78.2%)と「柔軟な働き方の拡大」(77.8%)でした。一方、「高校授業料の無償化」は64.8%と、働き方改革へのニーズがより高いことが明らかになりました。

もちろん、教育費の負担軽減も重要な施策です。しかし、それ以上に、仕事と子育てを両立できる環境の整備が求められていると言えるでしょう。ワークライフバランスが整えば、子育てへの精神的・時間的な余裕が生まれ、子どもを持つことへの前向きな意識へと繋がるはずです。

専門家の見解と今後の展望

子育て支援の専門家である、A大学子育て研究所の山田一郎教授(仮名)は、「今回の調査結果は、若者が抱える不安を明確に示している。経済的な支援だけでなく、ワークライフバランスの改善や柔軟な働き方の推進など、包括的な対策が必要だ」と指摘しています。

少子化は、日本の未来を左右する重要な課題です。若者が安心して子どもを育てられる社会を実現するためには、政府、企業、そして私たち一人ひとりが意識を変え、共に努力していく必要があります。

まとめ

少子化問題の解決には、経済的な支援だけでなく、ワークライフバランスの改善や柔軟な働き方の推進など、多角的なアプローチが不可欠です。未来を担う子どもたちのために、より良い社会を築いていくために、私たち一人ひとりができることを考えていきましょう。