台風19号による大規模な浸水被害を受けた栃木工業高校(栃木県栃木市岩出町)について、県教育委員会は13日、実習用の機械を早期に交換するのは難しいとして、当面は実習授業を他校で行う方針を明らかにした。また今後の被害防止に向け、県立学校の施設配置の見直しを進める。
同高は近くの永野川の堤防が決壊し、校舎や校庭が170センチ冠水した。旋盤などの実習機械や高圧受電設備が使えなくなり、被害額は11億円超に上った。
機械・設備の更新には時間を要するため、パソコンによるシミュレーションなど機械を使わない授業や、実習授業を他校で行うことによって対応する方針。来月初めに計画をまとめる。
同高は平成27年の関東・東北豪雨でも浸水被害を受けており、校舎移転の必要性を指摘する声もある。荒川政利教育長は「河川の改修計画もみながら、実習機械を高い場所に置けないか検討したい」と、13日の定例会見で述べた。
また、県が進めている災害対応の検証に関しては「職員室が1階にあり、パソコンや重要書類が水没した例もある。不審者対策などとの兼ね合いもあるが、施設配置のあり方を見直したい」とした。