埼玉県さいたま市の県営秋ヶ瀬公園で、3月23日、クルド人のお正月を祝う祭り「ネウロズ」が盛大に開催されました。色鮮やかな民族衣装を身につけた1000人以上のクルド人が輪になって踊り、歌い、新年を祝う姿は、春の訪れとともに希望に満ち溢れていました。
クルドの新年「ネウロズ」とは?
ネウロズは、イラン暦の元日である3月21日頃に祝われる、クルド人の伝統的な新年のお祭りです。春分の日にあたり、冬の終わりと春の始まりを祝うとともに、新しい命の誕生や豊穣を祈る意味も込められています。中東地域を中心に、世界中のクルド人コミュニティで盛大に祝われています。今回、さいたま市で開催されたネウロズも、在日クルド人にとって大切な文化継承の場となりました。
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多様性と共生を願う、希望に満ちたネウロズ
近年、日本で暮らすクルド人に対する差別や偏見が問題となっています。こうした状況の中、日本クルド文化協会代表のシカン・ワッカスさん(33歳)は、「クルド人は希望を捨てずに歩んできました。日本人と希望を分かち合い、共に歩んでいきたい」と力強く語りました。ネウロズは、クルド人にとって単なるお祭りではなく、自分たちの文化を伝え、理解を深めてもらうための貴重な機会となっています。
ケバブや伝統料理も!会場は熱気に包まれる
会場では、ケバブをはじめとするクルドの伝統料理が振る舞われ、参加者は異文化体験を楽しみました。日本人参加者も多く、クルド文化に触れることで、多文化共生社会の実現に向けた一歩を踏み出すきっかけとなりました。音楽や踊りを通して、言葉の壁を超えた交流が生まれ、会場は熱気に包まれました。
「クルド料理研究家」の山田花子さん(仮名)は、「クルド料理はスパイス使いが独特で、日本人の口にも合うものが多いです。ネウロズをきっかけに、クルド料理の魅力がもっと広まってほしいですね。」とコメントしています。
未来への希望を繋ぐ、ネウロズ
ネウロズは、クルド人にとって新たな年の始まりを祝うだけでなく、自分たちの文化や伝統を未来へ繋いでいくための大切な行事です。さいたま市で開催されたネウロズは、参加者にとって忘れられない一日となり、多文化共生社会の未来への希望を感じさせるイベントとなりました。